第四十夜 ページ42
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「____て___だよ_
__きて_」
暗闇の中から、うっすらと声が聞こえる。
それは懐かしい、優しい声。
「__めて___よ_____おきて__」
その声が、段々と、少しずつ、明瞭になってくる。
それと同時に、深く沈んでいた意識も明るみに晒され、はっきりしてきた。
「.....ハ、ク?」
ハク「そうだよ、おはよう。さぁ起きて。
夕食だよ、食べなさい。
はやく食べないと冷めてしまうよ」
視界に広がってきたのは、優しげに笑うハクの綺麗な顔だった。
そして嗅覚をくすぐるのは、炊きたての白米の香りと、焼き魚、山菜、漬物。
「.....ありがとう。持ってきてくれたの?」
布団から起き上がり、乱れた髪の毛を手ぐしで整える。
私の質問に、ハクは首を振った。
ハク「いや、湯女が持ってきたんだ。
ところで、私もここで一緒に食事をとってもいいかな」
ハクの言う通り、黒い長方形の、石でできたちゃぶ台には、二人分のお膳があった。
私は彼の質問に頷き、布団から完全に出て、ちゃぶ台の前に敷かれた座布団に腰を下ろす。
目の前の食事が、嗅覚と視覚を刺激して、私の空腹感をくすぐった。
ハクはありがとう、と言って、私の目の前の座布団に腰を下ろした。
そして手を合わせてから、二人一緒に箸を取る。
__二人は、暫く無言だった。
それもそうだ。
Aは寝起きで頭が回らなかったし、
ハクは無防備なAに気が気じゃなくて、とても喋る余裕がなかった。
__なんだ、なんなんだあの顔は!
__あの寝顔は、眠そうな顔は、うとうとしながら箸を口に運ぶその姿さえ___あぁ、可愛い。
Aへの訳の分からない愛しさが爆発しそうになりながら、ハクはただ黙って白米を口に運んだ。
ハク「(あぁ、本当に、何故だろう、Aが可愛い)」
ハクは自身の心臓が、忙しなく動いているのを全身の脈で感じながら、ずっとAのことを考えていた。
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ちゅん(プロフ) - 凄く素敵なお話ですね^_^続きが凄く気になります(^^) (2022年3月25日 23時) (レス) @page48 id: 1fdd2ab3eb (このIDを非表示/違反報告)
猫 - 今更かもですが、私も続き気になります…。 (2018年11月16日 19時) (レス) id: 08a665f28f (このIDを非表示/違反報告)
れんらん(プロフ) - 更新お願いします! (2018年8月9日 19時) (レス) id: 0c5afdadd2 (このIDを非表示/違反報告)
KA☆SE☆I(プロフ) - 続きがめっちゃ気になります!更新頑張ってください! (2018年6月10日 19時) (レス) id: 34b5e9b2d8 (このIDを非表示/違反報告)
YuRa(プロフ) - ねこさん» 続く予定です!筆者の受験が終わりましたら、更新を多くしていきたいと思います! (2018年3月4日 14時) (レス) id: 16af3255b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:YuRa x他1人 | 作成日時:2016年11月27日 14時