重なる姿、連なる思い 1 ページ10
『凄い！凄いよ！お姉ちゃんの個性、カッコイイ！あ、言い方間違えた……その個性を使いこなすお姉ちゃんがカッコイイんだ！』
『……俺は、あんたの個性すごいと思うよ。』
研究所での生存戦略で仲良くなったC-802【ハツ】とE-0813【イノハ】が私を見つめてくれた姿にすごく似ていた。
「……私は、そこまで足掻いたあなたがすごいと思うけどね。」
更衣室に急いで行く中で、先程の姿が離れなかった。
*****
〘緑谷side〙
何とか個性把握テストで生き残れた僕は、先生に指示された夜桜さんに治癒を頼んだ。目と目が会った時、綺麗な人で思わず僕は慌ててしまったけど、彼女は少し笑うくらいで特に何も言ってこなかった。
長い白髪、白髪なのもあって紅い目がすごく際立つ。首元に巻かれたチョーカーとも合わさって、どこか違う世界観のように思える人だった。クールな口調、だけどその声には柔らかさが含まれるアンバランスな女の子。
彼女は2位に入っていた実力者だ、治癒もできるなんて一体どんな個性なんだろう。
「……うわぁ……！」
出てきたのは、炎色反応でない限り実現不可能な緑色の炎。僕の怪我している指を優しく包み込むそれは、まるで誰かの体温のような感覚を覚える。
手から少し溢れた炎が、近くにいる僕達を明るく照らす。幻想的な空間を見蕩れていたら、治癒はいつの間にか終わっていた。
彼女の忠告も聞き半分になってしまうほど、綺麗な治癒だった。本当にどんな個性なんだろう、僕の性が暴走して彼女に疑問をぶつけると、曖昧にかわされた。
もしかして気持ち悪かったかな。少し不安で夜桜さんの表情を横目で見ると、個性のことを聞いてしまった事実に後悔した。
個性のことを話す彼女は、すごく寂しそうで苦しそうな顔を一瞬していたんだ。直ぐに元に戻ったし、自己紹介もまだだったからその事は1度記憶の奥に流したけれど、確かに何かを抱えている表情だった。
「凄いなぁ……！」
凄いから、何かを抱えてしまったのかな。こんなにも優しくて素敵な個性なのに。
無個性だった僕は、正直自分の個性を嫌悪する気持ちはよく分からない。元々欲しいと思っていた個性があるだけでも嬉しいのに、それをどうして苦しいと感じてしまうのかなんて考えたこともあった。
けれど、強い個性には反動を伴う事を自分の身をもって知った今。彼女が抱える闇は、個性の物だけだと勘違いしてしまった。
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ジャコ(プロフ) - ありがとうございます！実は啓吾兄さんの話に関してはお兄ちゃんしてるけど心に秘めるは……っていう展開が好きなのでその1億点が大変嬉しいものです(˶' ᵕ ' ˶) (2022年10月30日 18時) (
レス) id: 4409a0c551 (このIDを非表示/違反報告)
桃華 - お話やキャラ設定、面白くて続きが気になります！👀私的に、ホークスのことを啓悟兄さん呼びなのが1億点です（笑） (2022年10月30日 14時) (レス) @page36 id: cf0912901f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ジャコ | 作成日時：2022年6月30日 0時
