愛を抱えて ページ46
〘Aside〙
時は少し戻り、保健室にて。私は重い瞼をそっと開くと、そこには白い天井と嗅ぎなれたアルコールの匂いがした。
「……おや、目が覚めたさね。」
目の前にいたのは、湿ったタオルを持つリカバリーガール先生だった。体を起こし、タオルを受け取る。頭に当てるよう言われたためその通りにしながら周囲を改めて見渡した。
隣のベットにいたのは凄く冷や汗を書いている緑谷くんとオールマイト先生(ガリガリ)。そして今回の件で捜査に当たるであろう警察が立っていた。
「……よ、夜桜さん！怪我、大丈夫……？」
「うん、平気。ありがとう、緑谷くん。」
「よかった……。……と、ところで、ひとつ聞きたいことがあるんだけど……。」
心配してくれた彼の目線は私の首に当てられていた。そこは私の過去を象徴するものがあったはずの所。きっとハツを見ていた彼はその後やこれのことが気になるのだろう。
「流石に話せないかな。気になるかもしれないけれど、君にはまだ残酷すぎる。ね、オールマイト先生。警部さん。」
頭に当てたタオルが妙に冷静にさせる。首元に手をやるもあるはずの感覚はなく、私の心は波打たなかった。
「お、オールマイトって？！こ、ここにいるのは……！えーっと、その、」
「いいんだ、緑谷少年。彼女は分かっているからね。……夜桜少女、紹介するよ。私の親友、塚内くんだ。塚内くん、きっとこれから深く関わりを持つことになると思う。少女のこと、頼んだよ。」
「……あぁ、色々聞いてるよ。塚内直正だ。よろしくね、夜桜さん。」
「夜桜Aです。今後とも、よろしくお願いします。早速で申し訳ありませんが、『あれ』返して貰えませんか？恐らくあなたの鞄……真ん中の1番奥底に入っていると思うので。」
「……っ？！」
タオルを当てながら塚内警部に礼をし、要求を伝える。何があっても離すものかと信念で薄く繋いだ私の炎はそこで存在を表していた。見える証拠を出すべく、糸の温度を少し上げる。すると地面を伝い、入り口付近の彼のカバンの方向を糸は指し示した。
「最悪、交渉で頂いたあれを使うことも考えにあります。あれの前では覆りますよね？警部さん。私にとって……いえ、私たちにとって大事なものなんです。これ以上踏みいじられるのは……ちょっと、困るんですよ。」
左手に握るタオルから蒸発する音が聞こえる。タオルを外し、改めて握り直すともうぬるくなっていた。頭を冷やすものはない。ただ一つを除いて。
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ジャコ(プロフ) - ありがとうございます！実は啓吾兄さんの話に関してはお兄ちゃんしてるけど心に秘めるは……っていう展開が好きなのでその1億点が大変嬉しいものです(˶' ᵕ ' ˶) (2022年10月30日 18時) (
レス) id: 4409a0c551 (このIDを非表示/違反報告)
桃華 - お話やキャラ設定、面白くて続きが気になります！👀私的に、ホークスのことを啓悟兄さん呼びなのが1億点です（笑） (2022年10月30日 14時) (レス) @page36 id: cf0912901f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ジャコ | 作成日時：2022年6月30日 0時
