足音は近づく6 ページ33
「ケホッ、ゴホ、っ……！」
「――――本っ当に、かっこいいなぁ！イレイザーヘッド。」
地面に着いた顔をゆっくりと上げる。視界に入り込んだのは、嫌に笑う死柄木弔の姿だった。
彼の見つめる先にいるイレイザー先生は、脳無に頭を掴まれてもなお生徒を救わんとしていた。ボロボロになった顔で、死柄木弔の個性を"止めた"のだ。
しかし、最後の力を振り絞ったものだったのか。再び脳無によって地面に叩きつけられた頭が起き上がることは無かった。
「……しっかし、空も飛べて戦えるとかチートキャラかよ。欲しいよな、羨ましいよ。」
ピクリとも動かなくなったイレイザー先生に嫌な予感が過ぎった。急いで治癒をかけなければ、その焦りが隙を産んでしまった。
背中の羽に、何かが触れる感覚がある。刹那、先端から感覚が消えていった。
私の翼は、動かしやすいよう感覚を繋げている。正確には繋げられた、だが。そこまで精度の高いものではなく、啓吾兄さんのように羽を使ってのサーチは難しい程度のもの。それでも、この翼は私と繋がって、生きている。
「……っ、あぁあぁっっ！！」
血が流れずとも、痛みは私の背中を
「へぇ、炎でできてるのにそこまで熱くない……。油断したからか？」
死柄木弔が話す合間も、刻一刻と翼は崩れている。必死に藻掻くも、見た目より力があるのか、元々の性差のせいか、逃れることは出来なかった。
「夜桜さんからっ、離れろ！！！」
「脳無。」
「SMASH!!!」
その時だった。後ろから、緑の彼の声が響いたのは。いつものような柔らかい声ではなかったけど。命のピンチ真っ只中、手を差し伸べてくれたのは彼が初めてだった。そんな彼の声はとても優しく聞こえたんだ。
手を差し伸べられたのは、いつも全てが終わった時だったから。
『ごめんね、ごめんねヨナ！！』
『……助けてあげられなくて、ごめんね。』
目の前に出現した脳無に驚く緑谷くん。私を心配する焦ったような声が聞こえた。でも、大丈夫。
おかげで、冷静になれた。
「いい動きをするなぁ。スマッシュって……オールマイトのフォロワーかい？まぁ、いいや君……ってあっつ！！」
掴まれた右腕を中心に、炎を纏わせる。私の感情に比例して強まる炎の勢いは死柄木弔に噛みつき、手を離させた。
そして、私は地に着く足で彼を蹴り飛ばしたのだ。
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ジャコ(プロフ) - ありがとうございます！実は啓吾兄さんの話に関してはお兄ちゃんしてるけど心に秘めるは……っていう展開が好きなのでその1億点が大変嬉しいものです(˶' ᵕ ' ˶) (2022年10月30日 18時) (
レス) id: 4409a0c551 (このIDを非表示/違反報告)
桃華 - お話やキャラ設定、面白くて続きが気になります！👀私的に、ホークスのことを啓悟兄さん呼びなのが1億点です（笑） (2022年10月30日 14時) (レス) @page36 id: cf0912901f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ジャコ | 作成日時：2022年6月30日 0時
