こせい2* ページ9
爛れてしまった皮膚を引きづって、女の子の元へ。
未だにこちらにむく炎は自分の個性で火の壁を築き防いだ。片手で女の子の手を掴み、上にむかせる。
「いたか…たね。も、ダイジョブだよ。」
空いた真っ赤な手で涙を拭えば、女の子はそっと笑った。
「ありが・・とう。あったかい、ね。」
少しずつ炎は消えていき、手はだらりと落ちていく。
私にかけられる体重は徐々に増えていき、数分すれば
笑った顔のまま眠りについた。
これをきっかけに、次々と周りの子が倒れていく。
この部屋に灯る炎がただ一つになった時、女の子は
冷たくなっていた。
「素晴らしい!さすが管理者サマの推薦個体！
A〜Eランクのほとんどの炎を耐え忍ぶなんて！
さらに途中で個性の覚醒！？
未知の卵、次はどんな実験をしようか？！」
赤黒いこの部屋に響くのはマスターの声と管理者の足音。
他の子は目をつぶっているのに寝息一つ聞こえなかった。
他の子は泣いていた。助けてって叫んでた。
こいつらは笑いながらこっちをずっと見てた。
この子たちは…
「燃え尽きろ！！！！！」
体内の感情が爆発する。ボロボロになった手もお構いなしにマスターに向けて炎を放った。
「んー？躾がなってないねェ。治癒をして今日は
終わりにしようと思ったけど、随分と元気いっぱいだね！」
シールドのようなものを展開したマスターと管理者は
けろりとしていた。
ここまで、あの時と一緒。
周囲に残る私の火の粉を手に集める。
許容限界も近い、意識を保つのもやっとでも。
せめて、あの子たちの苦しみを味合わせたかった。
台の鎖から解放してくれた剣。自由の証をもう一度作って
マスターへとおぼつかない足で近づく。
マスターは手で私を抑えつけたけど、剣は自由だ。
そのまま抑えつける手に向かって剣を突き刺す。
私の体中についている赤色が増える。
それを見届けた私は、そっと意識を手放した。
〘マスター side〙
自らの手から滴る赤い水をそっと舐める。
そこからは、鉄と熱を感じた。
「ダメだろう？そのままではこの子がダメになってしまうよ。」
管理者サマからの言葉でこの子の息が途切れ途切れなのを思い出す。急いで個性を発動されば、爛れていた肌は色を取り戻していった。
「いやぁ、興奮のあまり忘れていましたよ！せっかくあなたから
素晴らしい個性をいただいたのに、もったいないところでした！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 186人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ジャコ(プロフ) - ぬうさん» 返信遅れてごめんなさい！こちらこそありがとうございます！待ってくれている人がいると思うと頑張れます……！ (8月8日 14時) (
レス) id: 245b9733ce (このIDを非表示/違反報告)
ぬう(プロフ) - 公開ありがとうです() (8月4日 2時) (レス) id: 1d36f8c737 (このIDを非表示/違反報告)
ジャコ(プロフ) - 質問ありがとうございます。続編のパスワードは一時的につけているものです！そろそろ公開する予定なので、ご安心ください！ (2022年7月5日 17時) (レス) id: 4409a0c551 (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - 質問失礼します！続編のパスワードについて公開してるけど鍵をしているのか全て終わった後まとめて公開などで鍵をしてるいるのか知りたいです！もし前者の場合教えてもらうことは可能でしょうか？更新頑張って下さい！応援してます！ (2022年7月5日 16時) (レス) @page50 id: ee1511a796 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ジャコ | 作成日時：2021年10月8日 18時
