兄妹ヒーローズ5 ページ45
「上が、首輪についてある程度の解析が出来て付け外しをできるようにしたって……。命令の機能をそのままに。」
「え、どう……なん、」
「そうなるやろうと思いよったし、俺も嫌やった。Aのトラウマの物を、態々俺から渡せるように仕向けた公安も、そんな事に準ずることしか出来ない俺にも。」
兄さんの手の中にある銀色の首輪は、所々に取り切れなかったであろう赤色の色素が見える。ボロボロになっているのも重ねれば、新たに作ったのではなく改造を施したのだろうと分かった。
「…………確かに個性人形はヒーローや世間から見たら怖いかもしれない、危険かもしれない……。でも、私は恐怖で彼らを掬ったって、それは救済じゃない……。」
「……うん、分かっとるよ。」
「ただの恐怖で縛り上げることは、絶対に……したくないのに。」
兄さんが寂しい目をしていた理由が分かってしまった。きっと私がこうなることも、どうして嫌がるかの理由まで察しがついてしまったから。そして……それに、共感したから。
この首輪は受け取りたくない。
兄さんからの贈り物でも、受け取りたくはない。
それでも、受け取らなければ私は公安に戻され、操作指示権も剥奪されるだろう。兄さんも何か処罰があるかもしれない。
「……渡してあげなさい、だなんて。公安からの脅迫に過ぎない。何かあるかもしれんけど、受け取りたくないんなら、俺がこのまま持って帰るよ。」
「……いいよ。私、これを受け取るね。」
「無理せんでええと。それを使う時は俺を呼ぶ時やろ？首輪なんて必要―――――。」
「でも、これから雄英高校に通う中で個性人形と遭遇するかもしれない。例えヒーロー志望でも、攻撃に特化した個性人形には歯が立たないよ。だから、最悪の場合避難の時間を稼ぐためには……絶対的な手段が必要になる……。
きっと、私を公安で縛る為だけじゃない。私がヒーロー志望であり続ける為でもあるから。」
兄さんの手の中にある銀色を手に入れた。指が金属部分に触れる度に、脳内で未だ消えることの無い悲鳴や血の香りがすぐ側で叫びを上げているように感じた。
「どしたん！？顔色が急に……。やっぱり、持っとかんほうが……。」
「……大丈夫、大丈夫！」
「だって私はヒーロー免許取得者でもあり、あの研究所で人形たちを統率した ヨナ でもある。これぐらいなんともないよ！」
兄さんの方を見て、にっこりと笑う。私が笑えば兄さんも笑ってくれると思ったのに笑顔はなかった。
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ジャコ(プロフ) - ぬうさん» 返信遅れてごめんなさい！こちらこそありがとうございます！待ってくれている人がいると思うと頑張れます……！ (8月8日 14時) (
レス) id: 245b9733ce (このIDを非表示/違反報告)
ぬう(プロフ) - 公開ありがとうです() (8月4日 2時) (レス) id: 1d36f8c737 (このIDを非表示/違反報告)
ジャコ(プロフ) - 質問ありがとうございます。続編のパスワードは一時的につけているものです！そろそろ公開する予定なので、ご安心ください！ (2022年7月5日 17時) (レス) id: 4409a0c551 (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - 質問失礼します！続編のパスワードについて公開してるけど鍵をしているのか全て終わった後まとめて公開などで鍵をしてるいるのか知りたいです！もし前者の場合教えてもらうことは可能でしょうか？更新頑張って下さい！応援してます！ (2022年7月5日 16時) (レス) @page50 id: ee1511a796 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ジャコ | 作成日時：2021年10月8日 18時
