兄妹ヒーローズ4 ページ44
耳元で風を切る音がする。腰には兄さんの手があって、傍から見たら不安定な体制のはずなのに、ビクともしない。
眼下には福岡よりも多くの光が生きていた。道中にある川には飾り付けがされていて、赤、緑、黄色とカラフルな色が映り込んでいた。
福岡とはまた違った、美しい夜景。それに圧巻していると、兄さんは近くのビルに近づいた。
「……どうやった？」
「すっっごく綺麗だったよ！上から見るとこんなに綺麗なんて知らなかった……！」
兄さんはビルの端に腰掛ける。私は兄さんに抱かれたままで、兄さんの膝の上に座ることになった。
……この距離感に慣れてしまっていることに若干の恐怖を覚えたのは言うまでもない。
「A、あそこみえる？」
「……あ、雄英高校……。」
「もうすぐあそこに通って、ヒーローになっていくとよ。色んな災難を乗り越えて、ヒーローになると。」
話す内容とは異なって、兄さんの目は寂しげに細められている。どうしたのかと未だ私の腰を支える手に触れれば、片手だけ兄さんと繋がれた。
「公安育ちのヒーロー志望だって、期待されるかもしれん。コードPDの指示権を使わんといけん日が来るかもしれん。正直、嫌なんよ。
年齢にそぐわんことを、全部背負いそうで。」
「兄さん……。」
「お兄ちゃんとの約束、苦しい時はちゃんと俺に連絡すること。俺はヒーローである以前に、Aのお兄ちゃんでもあるけん。」
手の力が強くなり、離さないと言わんばかりになった。不安になったであろう兄さんに安心してもらうため、私も強く握り返した。
「……寂しいから、っていう理由もある。けど、どうしても渡さなきゃいけない物があるから、こんな話したんよ。本当は俺も渡したくはないんやけど……。」
握り返しても、兄さんの辛そうな、憂いを帯びた目は晴れることがなかった。兄さんは渋々、といったように腰に着いていたポーチから何かを取り出す。
彼の手の中にあったのは―――――
幾つもの屍を重ねた、忌々しい首輪だった。
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ジャコ(プロフ) - ぬうさん» 返信遅れてごめんなさい！こちらこそありがとうございます！待ってくれている人がいると思うと頑張れます……！ (8月8日 14時) (
レス) id: 245b9733ce (このIDを非表示/違反報告)
ぬう(プロフ) - 公開ありがとうです() (8月4日 2時) (レス) id: 1d36f8c737 (このIDを非表示/違反報告)
ジャコ(プロフ) - 質問ありがとうございます。続編のパスワードは一時的につけているものです！そろそろ公開する予定なので、ご安心ください！ (2022年7月5日 17時) (レス) id: 4409a0c551 (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - 質問失礼します！続編のパスワードについて公開してるけど鍵をしているのか全て終わった後まとめて公開などで鍵をしてるいるのか知りたいです！もし前者の場合教えてもらうことは可能でしょうか？更新頑張って下さい！応援してます！ (2022年7月5日 16時) (レス) @page50 id: ee1511a796 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ジャコ | 作成日時：2021年10月8日 18時
