お兄ちゃん爆誕・妹生誕。 ページ39
「痛みを、分け合って……っあぐ、ふ、うっ……優しく、抱きしめあって……っ、てを、握ってくれ……。ごめ、なさいっ、ごめ、ごめん……ねっ、！」
必死に目を擦りながら泣く彼女を見ていた。彼女にとってのキョウダイは、俺の思うようなヤワな関係じゃないようだ。死をそばに置き、依存するように心の奥に絡み合って縛り合うようなそんな関係。
今日の会議のやけに冷たい会話が、今とリンクする。仲間の傍で逝く権利を、なんて。死さえも関係を繋ぐ鎖であるとは、きっと
「……Aちゃん。」
でも、それは。
――――――――――彼女を苦しめる鎖となる。
「きっと、Aちゃんが思う『家族』と俺の言う『家族』は違うものなんだ。別に俺は、君の思う家族を否定しようとは思ってないよ。ただ、今の君は無知すぎるんだ。」
「……無知、ですか。今も、昔も……図書室で本を読んでいた、ので知識はそれなりにあるとは思いますが……。」
「でも、限定すぎる情報に囚われていると思う。死が絆を深めるツールでは無いこと。家族がもがき苦しむのを同じ痛みで分かち合うことは普通ではないこと。」
「……確かに、言われてみれば……。でも、もう戻れないんです。生まれた時の、暖かくて幸せな家族がもう思い出せなくて……。顔も、名前も、私を呼んでくれた声も記憶にあるのに、それだけが……。」
彼女の両親は、火事でもうお亡くなりになられている。もう会うことの出来ない彼らに、聞くことは出来ない。でも。
「……やけん、俺と一緒に見つけよう。」
それは、永久に失われた訳では無い。形を変え、姿を変え、心に刻みつけられるものを、もう一度作ることだってできるはずだから。
「……ホークスさんと、一緒に？」
「俺も、正直分からんことが多いとよ。……それでも、1人で分からんこと探すより、2人で一緒に探す方がきっと楽しいしさ。」
「
彼女の収まっていた涙が、再び流れそうになっている。後一息、闇の中で揺れ動く意志を、浮上させるための1押し。
「俺と、家族になろう。」
彼女にそっと、手を差し伸べる。グローブも何もしていないボロボロの手に、小さなボロボロの手が重なった。
「……よろしく、お願いします。お兄ちゃん。」
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ジャコ(プロフ) - ぬうさん» 返信遅れてごめんなさい！こちらこそありがとうございます！待ってくれている人がいると思うと頑張れます……！ (8月8日 14時) (
レス) id: 245b9733ce (このIDを非表示/違反報告)
ぬう(プロフ) - 公開ありがとうです() (8月4日 2時) (レス) id: 1d36f8c737 (このIDを非表示/違反報告)
ジャコ(プロフ) - 質問ありがとうございます。続編のパスワードは一時的につけているものです！そろそろ公開する予定なので、ご安心ください！ (2022年7月5日 17時) (レス) id: 4409a0c551 (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - 質問失礼します！続編のパスワードについて公開してるけど鍵をしているのか全て終わった後まとめて公開などで鍵をしてるいるのか知りたいです！もし前者の場合教えてもらうことは可能でしょうか？更新頑張って下さい！応援してます！ (2022年7月5日 16時) (レス) @page50 id: ee1511a796 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ジャコ | 作成日時：2021年10月8日 18時
