これからの世界 ページ29
相澤side
数分も経てば涙も収まっていて、抱きしめていた腕をそっと外した。落ち着いた彼女は少し恥ずかしそうにしつつも、口を開いた。
「……すみません、取り乱してしまって……。あと1つ修正をさせてください。本当の名前を忘れてしまったんですけど……ヨナは名前じゃないんです。」
本当の名前を忘れてしまっている事実に少しストレスを感じたが、ヨナはどこから来たのか。彼女は解説するべく首に触れようとしたが、そこに固い鉄の輪はなかった。
「……あ、えっと……。実は……」
話された内容から、彼女が生き抜こうとした小さな証が見えた。精神が壊れてしまえば死も同然と考えて闘う彼女の案には正直驚くばかりだ。
「……あ、でも忘れてしまったものはどうしようもないですし！ヨナで大丈夫ですよ！！」
不安げな表情を見た彼女は慌てたように答える。オールマイトさんが更にそれを聞いて慌て、ミッドナイトさんがそれを宥めるというカオスな空間が生誕する。
彼女の戸籍などを確認した時、驚きしか無かった。両親は火事で亡くしており、研究所で呼ばれた名前や資料には同じ名前が全く存在していなかったのだ。
「……君の名前は確認してるよ。夜桜A。お母さんからもらった大切な名前だ。」
「A……。ずっと、気になってた。私の大切な……お母さんとお父さんの遺物を忘れた事にモヤモヤしてた。ありがとうございます。」
遺物……。自分の名前は忘れても、家族のことは忘れていなかった。帰っても暖かく包み込む1番の家族はいないけれど、助かることだけを第1に考えて動き続けた彼女はオールマイトさんの言うように本当に優しい子だ。
「Aちゃん。今から貴方にいくつか選択肢を出すわ。今後の生活に関することよ。あなたの思うように決めていいからね。」
ミッドナイトさんが本題を切り出す。彼女は静かに目を見つめ返して聞く体勢を作っていた。
「1つ目、私か相澤くんのどちらかの養子……家族になること。その場合、苗字は相澤か香山に変わるわ。
2つ目、家族を何らかの理由で失ってしまった子が集まる施設……孤児院って所に入ること。同じ様な境遇の子が多くいるから息苦しい事はないと思うの。
3つ目は……」
「公安預かりになることですよ、Aさん。」
後ろから声が聞こえ、この部屋にいる全員が入口を見つめる。そこに立っていたのは眠たそうに頭に手を乗せた目良さんだった。
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ジャコ(プロフ) - ぬうさん» 返信遅れてごめんなさい！こちらこそありがとうございます！待ってくれている人がいると思うと頑張れます……！ (8月8日 14時) (
レス) id: 245b9733ce (このIDを非表示/違反報告)
ぬう(プロフ) - 公開ありがとうです() (8月4日 2時) (レス) id: 1d36f8c737 (このIDを非表示/違反報告)
ジャコ(プロフ) - 質問ありがとうございます。続編のパスワードは一時的につけているものです！そろそろ公開する予定なので、ご安心ください！ (2022年7月5日 17時) (レス) id: 4409a0c551 (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - 質問失礼します！続編のパスワードについて公開してるけど鍵をしているのか全て終わった後まとめて公開などで鍵をしてるいるのか知りたいです！もし前者の場合教えてもらうことは可能でしょうか？更新頑張って下さい！応援してます！ (2022年7月5日 16時) (レス) @page50 id: ee1511a796 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ジャコ | 作成日時：2021年10月8日 18時
