妖欄綺鍵陸 (ページ25)

今日:7 hit、昨日:35 hit、合計:9,338 hit

弍百漆拾伍ページ25

桐山「…光」

　

夜空を見ていたら照史が上着をかけてきた

八乙女「なんだ、そこまで老人に見えるか？」

桐山「いや…寒そうやったから」

思ってるより寒くないんだけどな

桐山「なぁ、光は妖界帰りたいとか思ったことあるん？」

突然、そんなことを聞いてきた

八乙女「なんだよ、急に。

…昔は、あったよ」

なんでこんな人間界にいなきゃいけないんだ

妖界にいて、必要な時に呼び出して貰えればいいじゃねぇかって

八乙女「けど、それは違った。

契約した人間と一緒にいることで絆が深まり…力が強くなる。

それを理解して、妖界に帰ろうなんて思わなくなったな」

なんでそんなこと聞くんだろうな

八乙女「なんだ、俺が急に帰ると思ったのか？

安心しろ、しばらく帰らねぇ」

桐山「しばらく…？」

月を見上げる

八乙女「知念が帰れって言われたらくらいかな。

さすがに知念に逆らうことばかりは出来ねぇから」

桐山「嫌やな…光と別れるとか。

そんなの、永遠に来て欲しくないなぁ」