妖欄綺鍵弍 (ページ10)

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陸拾ページ10

佐藤「そしたら血縁者の方がいいですよ、じゃないと拒絶反応起きてしまいます」

　

勝利は提案する

…となると

中間「俺か」

淳太くんになるけど、大丈夫なのか？

中間「待って、聞きたいことメモするから」

淳太くんはスマホのメモに祖母から聞きたいことをまとめて俺たちに渡してくれた

中間「…大丈夫やんな、急に怖くなって来たんやけど」

知念「もし何かあったら僕が追い返す。

それくらいの力はある」

そこは知念に頼ろう

佐藤「では、行きますね。

心の中でいいのでおばあさんのお顔とお名前を強く念じててください」

勝利は淳太くんの前に立った

淳太くんは目をぎゅっとつぶって正座をしている

…可愛い

佐藤「死人憑の名に命ずる、この者の想い人の魂を引き寄せよ。

そしてこの者に憑けよ」

勝利が手を叩くと淳太くんの体がビクッとなった

しばらくして目を開ける

はっきりとしていた目はトロンとして優しそうやった

佐藤「…もって十分です」

知念「十分で充分。

…初めまして、僕は淳太と契約した妖です」

知念はグイグイ行く

…すげぇな

中間「淳太と…契約。

そうかい、あの子は『鍵』の役割を理解したのかい」

淳太くんの声だけど、話し方が女性っぽくてとても優しい

知念「あの、ハッキリ言って淳太の『鍵』は他の『鍵』とは違います。

だけど本人はその違いをわかっておりません。

…教えていただけませんか、淳太の『鍵』とは何なのか」

中間「…この子はね、我が中間家に久しぶりに生まれた『鍵』修復人なのよ」

『鍵』…修復人‼︎

中間「そしてね、同じ『間の者』であった子は呑まれちゃってね…」

高木「え、呑まれた…」

中間「その子の名前は忘れちゃたんだけど、分家は佐久間家なの」

佐久間って…あの雷獣のことか⁉︎

衝撃的過ぎる

知念「…もう少し、お聞きしてもいいですか？」