捌拾仇 ページ39
知念はずっと苛立っている
呑まれたものに力を奪われ、主である淳太と一緒に入れないから
知念「…雄也」
まんまる満月を見ながら知念は俺に声をかける
ぬらりひょんとはいえ、妖界のトップとはいえ…まだ妖としては幼い分類だ
昔からその座を狙われて苦しんできて…か
知念「僕は、
高木「そうだな…ぶっちゃけた話、あるよ」
俺も知念の隣に立った
高木「自分より幼い妖が上に立ってるんだもん、その首を取って俺が妖界のトップになろうと何度も考えた。
…けどさ、なんか出来なかった」
知念の桃色の瞳が俺を見る
高木「心地よかったんだよ、知念の治める妖界が」
知念「心地よかった…」
高木「昔じゃ考えられなかったんだよ、こうやって妖同士が仲良くしてるなんて。
…ありがとうな、知念」
俺よりも小さいところにある頭を撫でると知念は嫌がるように俺の手を取った
高木「明日のためにしっかり休むか。
…淳太もしっかりと目覚めるといいな」
知念「…そうだね」
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作者名:慧jump | 作者ホームページ:http://wakabassl
作成日時:2023年11月17日 8時