妖欄綺鍵弍 (ページ36)

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捌拾陸ページ36

伊野尾「ラララーラー」
　

いのちゃんは歌を歌いながら神社に向かう

藤井「エラい上機嫌やな。

何かあったん？」

伊野尾「特に。

でも、歌とか歌ってたら幸運になりそうじゃない？」

どこからか聞こえてもこなさそうな鈴の音が聞こえてくる感じがした

藤井「幸運って…座敷わらしやろ、自分？

会った人を幸運にする」

伊野尾「…そう、会ったどんな人でも」

いのちゃんの足がピタッと止まると風が吹き始めた

太陽が雲に隠れ、影がいのちゃんの顔を暗くする

伊野尾「敵味方関係なく…幸運にしちゃう。

多少は融通効くよ、俺の力だし。

でも、本当に幸運にしたい味方を幸運に出来ないって…かなりの不幸じゃないかな？」

そう言いながら笑ういのちゃん

…少しだけ、不気味やった

伊野尾「お、着いたみたい。

さてと、流星連絡は入れてるよね？」

藤井「…おん、当たり前やろ。

突撃してったら神ちゃんに怒られるわ…で」

濵ちゃんたちの住居を見てみるとボロボロになっとった

藤井「何があったのかも聞かんとな」