妖欄綺鍵弍 (ページ33)

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捌拾参ページ33

高木「正気か、知念」

　

俺は知念に聞き返す

知念「正気。

淳太が『鍵』を治せなかった理由やサクマの『間の者』としての力を知れるなら…僕は僕を犠牲にする」

高木「もしお前がいなくなったら妖界は誰が統治する？」

知念「そもそも今の妖界に僕はいない。

ただ名前がトップにあれば妖界は平常でいられるんだよ」

知念の信念に揺るぎはない

佐藤「ま、待ってください」

知念「待たない、これはぬらりひょんからの命令」

佐藤「命令と言われても…血縁者でないと拒絶反応が起きるって。

いくらぬらりひょん様(知念くん)とはいえ…耐えれるか」

そこまで言うと知念は黙った

…待て

高木「血縁者って言った…？

『間の者』の血縁者」

知念「淳太の力は借りないよ。

ただでさえ今は眠っている状態…淳太の体に負荷をかけすぎている。

その結果が…僕たちにも現れてる。

雄也、疲れてないの？」

…自覚なし

知念「勝利、命令」

佐藤「妖界を揺るがすことは出来ません‼︎」

知念「だったら今回のことを水に流すと言ったら？」

勝利の口がピタッと止まる

…そうだ、サクマに唆されたとはいえぬらりひょんに楯突いたのだ

そのことを妖界に帰って裁かないとしたら勝利にとってもメリットしかない

佐藤「でも…」

神山「…俺、やる」