妖欄綺鍵弍 (ページ30)

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捌拾ページ30

淳太くんはすやすや眠ってる

　

俺はその手をそっと取って自分の『鍵』に押しつけた

…治る気配は、ない

桐山「どうしたら、ええんやろう」

もしこのままやったら光に迷惑かけてしまう

光に言って契約破棄してもらうか？

…俺が契約した理由は淳太くんを守りたかったから

けど、その守りたかった淳太くんは『鍵』を治せる凄い人で、しかも契約した妖はぬらりひょんと酒呑童子

桐山「…はは」

どす黒い、どろりとした何かが心の中に渦巻く

気持ち悪い、吐き出してしまいたい

桐山「…俺、いらん存在やん」

契約した意味もなくなった今、俺はいるんか？

『鍵』も壊れかけている今、光に迷惑をかけるだけの今…

ゆっくりと立ち上がって部屋から出る

桐山「どこか…行くか」

中間「…あき、と」

このまま迷惑かけてるだけやったら消えてしまった方が…なんて考えとったら淳太くんの寝言が聞こえてきた

…すやすやと、気持ちよさそうに寝ておる

若干目にかかっとる前髪をそっと持ち上げた

…もう少し、ここにおってもええかもな