第壱話【夏祭りの夜明け】 ページ6
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「へぇ、ここが妖ノ眼神社か〜」
目の前には大きい鳥居が建っており、奥を見るに神社はとても錆びており廃れていた
今回霊子さんの指示で妖魔がいるとされているこの神社に複数のバディを派遣して調査するらしい
「僕達の初めての任務だから頑張ろうな!山ちゃん」
「ちっ...騒がしいぞ坊主。もう少し静かにできないのかよ」
耳を塞ぎ込む山ちゃん。僕は初任務でワクワクしているけど、彼はあんまり乗り気じゃないみたいだ
他の人達は先に神社に入っているらしく、多分僕達が最後だろう
「おい、坊主。あの時話したことやったこと覚えてるよな」
「もちろん覚えてるって!しっかり使いこなせるように頑張るよ」
数日前に彼と契約した後、話してもらった彼の能力。練習はしたけど実戦はやったことないから、上手くいくかは分からない。ただできる限りのことはするつもりだ
「じゃあ早速行くぞ。遅れるんじゃねぇぞ」
「あ、待って待って。山ちゃん歩幅大きいんだからもう少しゆっくり歩いて......え?」
鳥居を潜った瞬間にさっき見ていた廃れた神社が、とても華やかに、そしてお祭りのような空間になっていた
あ、屋台もある。りんご飴もある!食べれるかな...
「ふ〜ん、これが妖魔の能力か何かか。おい坊主絶対俺の側から離れるなよ...何食ってんだよ」
山ちゃんの目線の先には僕が近くの屋台に置いてあったのを持ってきたりんご飴がある
「屋台にあったから持ってきた!山ちゃんの分もあるよ。はいこれ」
「手前、危機感が全然ないじゃねぇか!ここには妖魔がいるんだから警戒しろよ!!あと俺はりんご飴は好かん」
そう言ってりんご飴を僕に返した。美味しいんだけどな〜
あ、あっちに射的もある!行ってみよ〜
「大体手前は俺の言うことを聞きやしないな。早くこんな面倒な場所に居たくないんだ。だからさっさと。おい坊主聞いてるの、か...」
「山ちゃん!ここ射的もある、よ...あれ?山ちゃん?」
振り返ると山ちゃんの姿は無く、いるのは同じ対策部の人達で妖の姿は見えなかった
「あの馬鹿、だから離れるなって...なんかすごい物が壊れる音が聞こえるな......はぁ」
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