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時刻は少し遡り、数十分前
「待って待って！まじでめっちゃ妖魔いるじゃん。多すぎるよ〜！」
「つべこべ言わずにやるしかないだろ！」
僕達は幽鬼さんの言う通りに、社員の人達に大量の妖魔が来ることを知らせ手分けして言われた3箇所に待機していた
僕と山ちゃん達は住宅街で、あまり人が通らなそうな道でその時を待っていた
本当に妖魔が現れるのか疑問だったけど、待機して数分すると色んな場所から妖魔が湧いてきた
夜遅いのもあり住宅街では、人はあまり通っていなく殆どが家の中にいるようだった
そのおかげもあり、容赦なく妖魔を倒してはいるのだが
「ちっ、全然こいつらへらねぇじゃんか。どうなってんだよ」
「妖魔一体一体の強さはそこまではないけど、数が多すぎる」
他のバディの人達も妖魔に応戦しているが、妖魔は減ることなく一定の数減っていけば補うようにまた増え出していた
「これじゃあ埒が開かないよ。ど、どうする山ちゃん？」
「そんなこと言われても誰もこの状態は解決できねぇだろ。妖魔がいなくなるまで戦うしかないんだよ」
いつまで続ければいいんだろう。日が昇る頃には妖魔は消えるのだろうか。そんな不安を思いながらも一般人に危害がないように妖魔を倒していく
「きゃー！」
女の子の悲鳴が聞こえた。すぐに走り出すと妖魔が見えているのか、恐ろしい者を見るような表情をした少女が倒れ込んでいた。驚いて腰が抜けたのだろう、逃げようとしても後退りするしかなさそうだった
妖魔が少女に襲いだす瞬間、僕は後ろから刀を振るって妖魔を切った。消えていく妖魔を一瞥し、少女の方に駆け寄る
「大丈夫だった？怖かったよね、でももう大丈夫だよ。僕達が君を安全な場所に送ってあげるから」
「あ、ありがとう、ございます」
手を差し出すとおずおずと握り返してくれて、少女を立ち上がらせた。早く安全な場所に移そうとすると、他の社員の人が送るためここで妖魔を退治しておいてくれて言われた
お願いしますと言い、少女を預けまた妖魔を倒しに行こうとすると視界の端で、この約1年見知った人の影を見つけた
「霊子さん...？」
その影はすぐに暗闇に溶け込んでいって見つけることはできなかった
「おい坊主、早くこっち来て手伝え！また妖魔が増え出したんだ！」
「あ、うん。分かったよ山ちゃん」
気のせいかな？
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