・ ページ4
.
「で、手前は扉を開けたら俺を見つけた訳か」
ひとまず彼に腕を離してもらいここに来るまでの事情を話せば、呆れたようなため息を吐かれた
「はぁ、こんな場所に来るなんて手前は馬鹿か」
「馬鹿って失礼だなぁ!僕の好奇心がここに入れば何か良いことがありそうだと思って入ってきたのに」
それが馬鹿なんだよと言いながら、僕の頭を殴る彼。こいつ馬鹿力すぎないか?
「そういえば、君はなんでこんな場所にいるの?薄暗いし感じ悪いし...」
「ここに居ろって言われてんだよ。出ようにも出れないしな。人間と契約でもすれば出れるかもしれないけどな」
苦虫を噛み潰したような顔をしている彼。なんか嫌なことでもあったのだろうか
「そうだ!ねぇ、僕と契約しない?そうすれば僕は妖と契約できて一安心だし、君も契約できたらこの場所からでられかもしれないんでしょ?」
良い案を思いついたかも!どうだろうと思い彼の顔を見ると唖然としていた
「...ははっ!まさかここまで馬鹿だとは思わなかったな。くふふ...いいぞ手前のことは気に入った」
また馬鹿言われたことはスルーするとして、了承してもらえたことは嬉しい
「ん」
「え、何?」
「手出せってことだよ。どっちでもいいから出せ」
そう言われて左手を差し出すと中指を思いっきり噛み付かれた
「痛い!痛い痛い!待ってまじで痛い!離して。無理、人生で1番こんなに中指が痛くなったことないんだけど!!」
「......ん。できたぞ、だからうるせぇ声出すな」
噛まれた部分を見ると、中指の根本に噛み跡が残っていた。あぁ、契約するために噛んでいたのか
それはそうと先に言ってもらえばよかったのに...
「おい、早くお前も噛め」
彼は右手を差し出したため、僕も同じ中指に噛み付いた
思ったより噛むのが難しくて少し時間がかかったが、しっかりと跡ができた
「よし、これで契約はできたな」
「なんか契約した感じあんまりないね。なんかこう、ブワーって力がみなぎる感じなのかと」
彼に呆れられてる顔をされているが気にしない。またため息吐かれた。
「とりあえず、一旦ここを出るぞ。あいつに今見つかると面倒だ」
「誰に見つかったら面倒なんだい?」
突然第三者の声が聞こえ急いで振り向くと、ニコニコと笑っているあの人がドアに寄りかかっていた
「れ、霊子さん...」
もしかしてやばい感じ...?
7人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ