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「坊主大丈夫か?」
「うん、今ならいけるかも」
もう一度霊子さんに姿見の中に送ってもらい、またあの場所へ戻った。そしてまた僕と山ちゃんの間に壁が出現した
「大丈夫...僕ならいける」
鏡から弟が映し出された。またあの光景を思い出してくる。超えなきゃ...“あの日”を乗り越えないと僕は妖魔には勝てない
『また来たのか。今度こそ仕留めてやるよ坊主』
「っ...君は山ちゃんじゃない。だからもうそんなのは無駄だ!」
未だに身体は動けないが、武器を作り出すことはできた。あとはどうやってあの妖魔に攻撃をするかだけ
『動けないなら意味がねぇよ!』
素早くこちらに走ってくる妖魔。腕も動かなくなってきた。これじゃあ攻撃を受け流すことが...!
「類生__!」
ガラスが割れたような音が辺りを響かせる。体が自由になった!
見ると壁を割った山ちゃんがこちらに来ていた。妖魔は予想外なのか動揺をしていた
『どうやってここに来た!』
「あの女の言ったことを思い出してな。ピントを合わせなくすればいいって」
ピント...?どこかにカメラとかがあるのか。でもそういうのは一切見ていない
「坊主行くぞ。あの妖魔をぶちのめすぞ」
「あぁ!さっきの恨み、晴らしてやるよ」
僕が刀を妖魔に向けると、我に帰った妖魔はすぐに攻撃を防いだ
『お兄ちゃん、やめてよ...』
「...!」
弟の声を出した妖魔に隙を見せてしまい、鋭い爪で掻っ切ろうとされそうになったが、横から山ちゃんの足蹴りで妖魔を吹っ飛ばした
「よく聞け坊主、俺があいつの相手をするからその隙に手前はあの妖魔の目を壊せ」
「目を...?」
「いいから行くぞ!」
僕にだけ聞こえる声で話した山ちゃんはすぐに妖魔の場所に移動して攻撃をしていた
とりあえず僕も言われた通りに隙を見せた妖魔の目を狙った
妖魔の目はどことなく妖しく、そして万華鏡のようにキラキラと輝いていた
「さっさと成仏しやがれ!」
僕が目を切りかかると妖魔は雄叫びをあげながら、砕け散っていった
「やった...?」
「そうだな。よくやったな坊主」
あまり褒めない山ちゃんに褒められて嬉しそうにしていると、突然地響きが鳴る
「なになに!?どうしたの!」
「ちっ、妖魔を倒したからこの空間も崩れてきているんだろ。霊子!早く俺達を戻せ!」
数秒経っても戻れない。もしかして霊子さんに届いていない...?
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