第四話【更紗眼鏡に絶念を】 ページ21
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「この姿見に妖魔が入っているんですか?」
「あぁ、見た目は普通の姿見だけどしっかり妖魔がいる。呪力が無いが中に入ると呪力で溢れている空間に転送されると思う」
姿見の前で手を振ったり決めポーズとったりしてみるが、ちゃんと鏡の僕は同じ行動をとっていた
山ちゃんから何してんだこいつみたいな顔で見られてるけど気にしない...
「で、どうやって鏡の中に入るんだ」
「あぁ、それは安心してくれ。私が送迎をしてあげるよ。中に入る勇気ができたら教えてくれ。あと、やばいと思ったら名前を呼んでくれたら戻すこともできる」
結構便利だなぁと思っていると、霊子さんは僕の方を見て微笑みかけた
「多分類生くんにとっては1番酷な任務だと思うんだ。無理はしないでくれ。ダメだったらダメで他のバディに頼むから」
そんなに危ないのかな、この姿見にいる妖魔は
「大丈夫ですよ。僕、最近強くなっていってる気がしますし、そんな簡単にはやられないと思います」
「そうだといいんだけどね...魁さんは大丈夫なのかい?」
山ちゃんは余裕そうな表情で姿見を一瞥した
「別に俺は全然余裕だ。坊主が足を引っ張らなきゃな」
「な、なにそれ!僕が何かやらかす前提なの!?」
「手前はだいたいやらかしてるだろうが。この前だって...」
僕と山ちゃんがぎゃいぎゃい言い合っていると、手を叩く音が聞こえ静まった
「仲が良いのはいいことだけど、今回は危険なんだ。気をつけてよ」
「わかってますよ!すぐに妖魔倒してきます!」
僕が胸を張って答えると、霊子さんは頷き姿見に触れた
「じゃあ妖魔の場所に転送させるよ。準備はいいかい?」
「バッチリですよ!」
「あぁ」
霊子さんは僕達に微笑みかけて何かを唱え始めた。何を言っているのか聞き取れないが、妖魔の場所に行くための呪文みたいなものだろう
唱え終わったのか姿見から眩い光が出て僕達を包んでいった
「頑張ってきてね。応援しているよ」
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