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「手前！離れろ言っただろうが」
山ちゃんも僕に気づくと驚いた顔をしていた。本当に存在が薄くなっていたんだ
「でも妖魔にダメージを入れれたよ！今なら弱らせることができるよ」
妖魔はやばいと思ったのか逃げる体制をとっていた。火の玉に変わってしまうと追うのは難しい。その前にもう一度攻撃しなければ
「逃す訳ないだろうが！」
山ちゃんはすぐさま妖魔に刀を深く刺した。強い衝撃だったのだろう、妖魔はもうあまり動くことができないようだ
「坊主、早くこの妖魔に網で包め」
「分かった」
霊子さんから支給された、特製の網で妖魔を捕まえれば動くことができないようだ。研究部の人達が徹夜して作っているのが想像できる...
「そうだ。あの和鋏も回収しておかないと...」
この辺りまで飛んでいった気がして探してみると、木の後ろまで飛んで行っていたらしい。飛ばしすぎたかも...
和鋏を持ち、山ちゃんの所まで戻る
「おい、早く行くぞ。この妖魔結構重いんだよ」
「うん、霊子さんにも早く報告しないとね。...あれ？」
「どうした」
僕の視界には山ちゃんの心臓辺りから、糸が出ていて僕の心臓あたりのところまで繋がっていた。糸は少しだけ太くて黄色と橙色が混じったような色だ
山ちゃんには見えてないのか、よく分かってない表情をしていた。この和鋏を持っていたら見えるようになってたけどこれのせいかな
「なんでもないよ。さ、早く行こ」
「君達に頼んでよかったよ。妖魔も預かったしありがとう」
そのあとすぐに妖魔を霊子さんに渡して報告書も書き上げて出しに行った
「そうだ、霊子さん。あの妖魔が持っていたんですけどこの和鋏、渡しておきます」
和鋏を差し出すと嬉しそうに取った
「ありがとう。何から何まで助かるよ...おや」
霊子さんは僕達を見るとニヤニヤしたような顔で見てきた
「なんだよ手前。変な顔して見てきて気色わりぃ」
「もうそんなこと言わないの山ちゃん」
「いや、本当に君達は良いバディなんだなと思ってね。うん、もう大丈夫。帰ってもいいよ」
急に何を言い出すかと思えばよく分からないな。とりあえずお辞儀をして部屋を出て、山ちゃんと家に帰った
「す、すみません！許してください！もう過ちを犯しませんので！」
「君達はあの妖魔の誘惑に負けた。それ相応の躾は必要だよね」
「すみませ、もうお許しを」
「さようなら」
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