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「あの妖魔は心も読めるんだ。だから考えごともあの妖魔にはすぐに分かる。だからすぐに攻撃も避けれるんだ。それとあの妖魔は火の玉の姿の時はすごく素早い。ただ人間のような姿の時はあまり早くはないね。ただ人間の姿の時だけあの和鋏が使える」
面倒だよね〜と言いながら幽鬼さんはやれやれとした顔をしている
どうしてここまであの妖魔のことを知っているのだろうか。疑問に思うが多分この人は聞いても答えてくれなさそうな感じがする
「君は“あの日”のことをすごく後悔しているんだろう?弟くんのこと」
「なんで幽鬼さんがそれを知っているんですか...!」
「それは秘密。ただ、そこまで気負う必要はないよ。あれはただの事故だし、君は何も悪くない」
幽鬼さんは僕の頭を優しく撫でてくれた
「あぁ、そうだ。早くあの妖魔を弱らせないといけんだっけ。それなら類生くん、君も魁さんの手助けをした方が良い」
「でも、山ちゃんは僕に離れろって...」
「あれは君を心配して言ったことだ。君なら妖魔の囁きを聞いても大丈夫なはず。しっかり集中していればあの妖魔を捕まえられる」
山ちゃんの方を見ると、まだ妖魔からの攻撃を避けていた。あの和鋏のせいで近づきにくいのだろう
「僕にできるかな...」
「じゃあ僕達がまた手を貸してあげるよ。少し手を貸してもらえるかな?」
右手を幽鬼さんに触れると、周りに淡い光が浮かび上がっていた
『この者の存在を数分だけ薄くせよ』
幽鬼さんがそう言えば淡い光は消えていった
「よし、早くあの妖魔に一撃浴びせてきな。時間は有限だよ、ほら急いで」
幽鬼さんは僕の背を強く押した。ちょっと痛かった...
「よし...あの妖魔に一泡吹かせてやるぞ!」
幽鬼さんが言ってたあの言葉的に今の僕は存在感が薄い。それなら妖魔の背後をとって斬りかかればダメージが入る
山ちゃん達の方に近づくと、少しだけ汗を流している山ちゃんがいた。ずっと妖魔から避けていたんだちょっと疲れているんだろう。早く助けなきゃ
『だんだんと隙が見えてきたな。もうお前達の契約の糸を切ってやろう』
和鋏を何もないところを切ろうとしていた。なんだか嫌な予感がする。先にあの妖魔から和鋏を奪わないと...!
刀を和鋏に当てて思いっきり振り上げた。和鋏は遠くまで飛んでいった
「今だ!」
今度は刀で妖魔を斬りつけた。そして効果が切れたのか妖魔は僕の存在に気づいて驚いているように見えた
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