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「手前、一旦妖魔から離れろ」
「え...なんで？だって妖魔を倒すには人間がトドメをささなきゃいけないんでしょ。僕がいないと...」
山ちゃんは鋭い目で僕を睨みつけた
「手前、さっき妖魔に言われた言葉で動揺してただろ。あの妖魔はまた手前に近づいて似たようなことを言う。今の坊主じゃあいつに隙を見せてやられる。俺があの妖魔を弱らせるまでぶちのめす。あと、あの女が言っていただろ、妖魔を捕まえて持ってこいって。だから手前の力は別にいらねぇ」
山ちゃんは早く行けと言うような目線を送る。確かに今の僕だとあの妖魔に付け入れられるだけだ
とりあえず少し離れて山ちゃん達の行動を見ておこう
この大木の後ろで隠れておこう。少し大木から顔を出して山ちゃん達の方を見る
「...じゃ、俺とタイマンだ妖魔。精々楽しませてくれよ」
『お前に誘惑しても意味はない。あの小僧は簡単に堕ちそうだ』
「俺がすぐあいつの場所に行かせる訳がないだろうが。まずは俺を倒してから行くことだな」
すごい...山ちゃんは一方的に妖魔を攻撃していて妖魔を圧倒しているように見える
すると妖魔はまた人間の形に戻ると、和鋏を取り出した。ここからでも分かるほど呪力に満ち溢れている
『それならお前達の縁の糸を切れば良いだけ』
和鋏を持ち山ちゃんに近づこうとするが、山ちゃんはすぐに飛び退いて妖魔から離れた
「ちっ、安易に近づけなくなったな。あの和鋏が面倒だ」
「もしかして、霊子さんが言っていたもう一つのバディの解除方法なのかな...うわっ！」
少し気になって大木から体も出そうとすると、突然肩を掴まれて後ろに引かれた
「ご名答だね類生くん。ただ前に行こうとするのはいけないね。魁さんから離れろ言われているんだから」
聞いたことのある声で振り返るとそこには幽鬼さんがいた
「幽鬼さん！？なんでここにいるんですか...」
「この前言ってただろう。また会いに来るって。だから会いにきたのさ。それに今は魁さんは妖魔と戦っているからこちらに干渉できない。良いタイミングでしょ」
ニコニコと笑っているがここには妖魔がいるのによく会いに来たものだ。僕が呆れていると幽鬼さんは話し始めた
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