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「階段を上ればもう調理室って言ってたな。とっとと作って妖魔退治するぞ」
「わかったから待ってよ〜。あ、多分あそこじゃない?調理室」
階段を上って左を見れば調理室と書かれた室名札があった。扉を開けようとするが...
バァァァッン!と突然ドアが開き何かが額に強い痛みを与えてきた
「いっっっだ!!何!?僕のおでこめっちゃ痛いんだけど!?」
「あわわっ!ちょっ、ちょっと待ってくださ〜〜〜い!!止まって〜!」
今度は青髪の女の子が慌てて出て来て何かを追いかけようとしていた。
「今のなんだったの?」
「さぁな。何か茶色の物を追いかけて行ってたな」
茶色の物?調理室で使うような茶色の。それに今僕達がしようとしていたのは...
「ちょっとちょっと〜!キミ達早く中に入って扉を閉めて!チョコ達が逃げちゃうんだから!」
「チョコ...?ってうわぁ!?」
明るそうな雰囲気の女の子の声を聞いて調理室の中を見ると、色んなチョコが浮かんでいてすでに中にいたバディは慌ただしくチョコを捕まえようとしていた
山ちゃんは少し険しそうな顔をして僕の腕を掴んでドアを閉めた
「面倒ことになってるな。おい坊主、早くチョコ捕まえて来い」
「え!?僕が捕まえるの?無理だよ〜。山ちゃんが掴めてよ」
「なんで俺がやらなきゃいけねぇんだ。調理する場所は確保しておくから」
そう言って彼は僕を置いて空いてる調理場の所に向かった。えぇ...いけるのかな〜これ
とりあえず目の前をふわふわと浮いているチョコを取ろうとすると、急に人格が変わったかのように手を叩いてきた
「いった!チョコの癖にすごい痛いんだけど...」
かれこれ数十分かかっているが全然チョコを捕まえられない。むしろチョコにバカにされてる気がする。悔しい!
あと少しの所でチョコを捕まえられそうだったが頭を叩かれて逃げられた
「おい坊主、まだなのか?いつまで時間をかけてる」
痺れを切らしたのか山ちゃんがやってきた。全然手伝いしないからじゃんと思う
「ねぇ、山ちゃんも手伝ってよ。僕1人じゃ絶対できないから!」
「......これで1個だな」
山ちゃんは近くに浮かんでいたチョコをガシッと掴んだ。力を入れすぎていたのかチョコはバキバキと割れていた
「嘘でしょ...」
「じゃあ俺は捕まえたからお前はもっと取ってこいよ」
無茶振りだと思い項垂れていると誰からか裾をクイッと掴まれた
「あ、あの............」
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