第弐話【大波乱!?混沌の11日間】 ページ11
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「山ちゃんはさ、お菓子作るの得意...?」
「...作ったことないから分かんねぇな」
終わった...
数時間前に霊子さんに呼び出されて、2月3日から14日の間で妖魔が大量発生することを聞いた
いくら強いバディでも大量の妖魔に太刀打ちできるはずがないために、何故かよく分からないが研究部の人達が開発した豆にチョコをコーティングして妖魔に投げれば良いらしい
ただそれを作るのは自分達でやってくれと言われた。意外と霊子さんって人使い荒い?
今は研究部の所に行って豆をもらう所だ
「えっと...あ、あった。ここが研究部か」
「ふ〜ん。研究って言うからには厳重そうな場所にあると思ったがそうでもないんだな。早く豆貰って作るぞ」
そう言いノックもせずに扉を蹴って開ける山ちゃん。こっちは足癖が悪いな...
「おい。手前ら、早く豆を寄越せ」
「ちょ、急に入ってヤクザみたいなこと言わないでよ...!」
「うぅ...どちらさんで...?」
やって来たのは灰色の髪で1つ結びにし、綺麗な青い瞳でえっと、眼鏡が片方しかないのをかけてる人だった
「隈やっば...あ!」
「大丈夫ですよ...隈はいつものことなので。はぁ...」
この人すごい疲れてるな。他の人はいないのかと隈の人の後ろを見ると衝撃だった
「奥の奴ら全員死んでないか?」
「山ちゃん!そんな不吉なこと言っちゃダメでしょ!」
「あぁ、いえ、大丈夫です。私達妖魔研究部は日々霊子さんの指示で徹夜ばかりなんです。休む暇も無ければ寝る暇もない。今回はやっとひと段落ついて、対策部の方達が豆を取りに来る時交代で渡しているんです」
よかった...床で倒れてたり、机に突っ伏して死んでるように動かない人達は仮眠をしているんだけだったのか。心臓に悪い
「どうぞ。こちらが特殊な加工をした豆です。足りなくなったらまた来てください」
「ありがとうございます!あの、お名前教えてもらってもよろしいですか?」
そう言ったら彼は目をパチクリと瞬きさせて呆然としていたがすぐに我に返った
「あ、私の名前は、素畜社真です。よろしくお願いします」
「なら〜...社畜さんだね!」
隣で吹き出す声が聞こえ、横を見ると山ちゃんが震えながら口を抑えていた
社畜さんは嫌そうな顔をしていた。そんなに嫌かな〜?
「とりあえず、それは渡したので早く行ってください。調理室は右に行って階段を上ればすぐあります」
「わかった!ありがとう社畜さん」
「その呼び方はやめてください」
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