幽霊の見える小学生になった件10th

TO:鮮やかな追憶 ページ24

哲也side

いつからだろうか。

君……菫をリンと重ねてしまっていたのは。

ずっと利用していた。

その好意も。

菫が抱えていた感情も。

俺がしむけたことだ。

『哲也さん！』

小さい頃から俺に向けられる笑顔は眩しかったよ。

でも俺は……

この手で君を殺した。

少しづつ君の体内に毒を入れ続けていた。

心臓発作と見せかける為に。

彼女が死んだら場面が動くと思ったが、違った。

彼女を失っただけだ。

悠馬には悪ことしたなぁ。

リンのこと知ってるかと思ってたのに何にも知らなかった。

結局俺はリンに遊ばれたんだな。

最期まで求めたのは生だったけど。

本当に欲しかったのは愛なのかもしれない。

菫の顔つき変わったな。

この世界に来て君は変われたんだね。

愛を知ったんだね。

体が焼けるように熱い。

これが天罰か。

そんなことをふと思ってしまう。

俺はずっとそうずっとリンを追いかけていた。

もう居ないというのに。

自分が欲しいものを、求める物を手に入れるために人を沢山殺した。

人を沢山傷つけた。

同期も殺した。

想い人も殺した。

『……哲也さん聞いてくれる？』

視線がまた交わった時菫がまた口を開いた。

その目には涙が溜まっている。

「……なんだい。」

ポーカーフェイスに努めて菫をみた。

『好きでしたよ哲也さん。』

その笑みはどこまでも優しげで。


"哲也くん。いい事教えてあげますよ。"

ふといわゆる走馬灯とやらが駆け巡った。

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