幽霊の見える小学生になった件2nd

件名:蹴撃の貴公子と月3 ページ31

YOUside
『あれ、コナンくん』
「Aちゃん。ポアロによってたの？」
『うん！』
もうすぐシフト終わるらしいが、探偵業(公安)で帰りは遅くなるそうだ。
「そういえば朝から思ってたけど、Aちゃんどうして傘を持ってるの？」
『今日は雨らしいから！安室さんが持ってけって。降るのは夜らしいけどね。』
「そうなの。」
「久しぶりね、Aちゃん。ああ、そうそう聞いてよ！昨夜怪盗キッドが来たの！」
えぇ！？
《怪盗キッドっつったら去年か一昨年辺りからいるやつか。》
《けっいけすかねえヤローなんだろ。》
《そう？》
「園子の部屋に！？」
「そうなのよー！まるでピーターパンみたいに窓辺に立っててさ＿＿！」
『へぇ！それでキッドは何しに来たの？』
「"私と賭けをしないか？"って…"狙いの宝石をゲットした褒美に…貴女の唇も頂きたい"ってさ！」
あぁ。京極さんとの話じゃないか。
「本当は何て言ってたのよ！？」
「あ、ああ、本当はね…」
賭け、してたよね？たしか京極さんと園子姉ちゃんのお母さん。
「今回、次郎吉おじ様が一般公開するアレキサンドライト翠緑の皇帝を首尾よく手に入れることが出来たなら…鈴木財閥が貯蔵する美術品の中から自分が指定する一品と盗んだその宝石とを交換してほしいとおじ様に伝えてくれってさ！」
「何なの？その一品って…」
「さぁ…盗んでから教えるって言ってたけど…」
「それで何て答えたのよ？」
「勿論怒鳴り返してやったわよ！あんたみたいな悪党のだす条件なんて…一切受け付けないってね！！」
嘘だな…
《それにしてもキッドか。》
《観に行こうぜ。》
楽しそうだなこいつら…
「それで？その宝石を守るって言う京極さんは？」
「今も宝石と一緒よ！」
「い、今もって…その宝石今日から一般公開してるんだよね？」
「ええ！これから行く鈴木大博物館でね！」
「まさか…展示ケースの横で怖い顔して立ってるとか？」
「まぁ行けばわかるから！Aちゃんもどう？」
うれしいご招待だ！
《いこいこ！》
幽霊たちも楽しそうだな…こいつらいくつだ？(
『いく！一応安室さんに連絡してもいい？』
「もちろん！」

降谷side
登庁して、デスクについた頃、Aから電話がかかってきた。
頬が緩むのがわかる。
彼女は光、なのだ。
暖かい灯火。
Aの隣は心地よくてこのまま時間が止まればいいのに、とよく思う。
いつか一人立ちするのにな。
…。
いやだな…。
気持ちを切り替えるように電話にでる俺だった。
『もしもし？』

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