幽霊の見える小学生になった件

十七件目 ページ17

『お帰りなさい。安室さん。』
「…ただいま。」
すると、ギュッとされる。
「Aのほうじゃなんにもなかったかい？」
…やはり、初恋の相手の子供が死んだからこうなってしまったか。
幽霊たちも心配そうだ。
『なんにもなかったよ、安室さん大丈夫？』
「え？」
『疲れてるよ。』
今の私ができることは正義を揺らがさないようにするだけだ。
『大変だったね。』
「…。」
『安室さんは、どう思ってるか知らないけどね、私は家族だと思ってるよ。』
だからね。おもいっきり泣いてくれ。
前世好きだったキャラクターである降谷零。
今持ってる感情は恋愛感情というよりこれは同情に近いと思う。
もう安室さんは29。されど29だ。若いのに重いものを背負いすぎだ。
「…A。会って日にちは浅いが俺も、そう思ってるよ」
笑みがこぼれる。
あーあ。ついこの間まで夢のように思っていたのだがなぁ。強く抱き締められて痛感してしまった。
"私はこの世界に存在してしまった"のだと。
『そっか。じゃあこれからもよろしくね安室さん。』
「よろしくね、A。」
安室さんはまるで私が生きているか確認するかのように強く強く私を抱き締めた。
私の身にはなにもなかったんだがなぁ。

「おはよう、A。」
昨日みたひどい顔は幾分かマシになった。
ベーコンの香ばしい匂いがする。
『おはよう、安室さん。』
前世、コナンを見ていて思った事がある。
"誰が降谷零を守るのだろうか"
過去が開示されたぐらいだろうか。
そう思った。
日本は彼が守るのだろう。だが、彼は？
ゼロティーでいっていた
"お前もひとりぼっちなのか"
そういった寂しそうな顔。
いやぁあれは辛かったね！！
「顔洗っておいで。」
『うん。』
私は無力だけど、安室透…降谷零を支えるぐらいはできる筈だ。
ひとりぼっちにはさせないよ。安室さん。
『お腹空いちゃった。』
「ふは、よだれでてるぞ。」
あ、降谷モードだ。
少しは気を許してくれたのだろうか。
私は嬉しくなった。


存分に夢主に依存してくれ降谷…！どうも作者です。たくさんのヒット数ありがとうございます！投票も10回投票！そして10点！ありがたいです！これからもよろしくお願いします。

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