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おわりまで じゅう ページ10

「おにいさん、わたしのこと
 きらいに…きらいになったの…?」


違うんだ、そんな訳ないだろう。咄嗟に思いついた言葉は喉の奥から転がり出しはしない。ああ、俺のことを君が嫌いになってくれればもう会うこともないかな。そうしたら、君はそんなふうに泣くこともなくなるし、危険に身を晒すこともなくなるだろう。

いつだって危険な目に遭うのは俺でいい。守りたいと思えるものを守れない人間にはなりたくないのだ。


「おにいさん、あむろおにいさん!!」

「Aちゃん!
 安室さん…っ何で黙ってんだよ!?」


ばたんと激しい音を立てて店内から飛び出してきたコナンくんの息は荒く、泣き喚くAちゃんの肩を掴むとこちらを睨んだ。それでいいと何処かで安堵していた。今すぐAちゃんを抱きしめたいのに、笑わせてあげたいのに。


「ごめん」


溢れたのはそれっぽっちの謝罪の言葉だった。心なんか篭ってない、ただそれだけの表面上の謝罪。こんなこと言いたい訳じゃないけど、こうするのが何よりの最善策。コナンくんだって分かってるはずだ。


「あんたは馬鹿だよ」

「はは、そうかい」


うまく笑えない。

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作者名:えだまめ | 作成日時:2019年10月30日 17時

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