おわりまで じゅういち ページ11
「Aちゃんは、安室さんの事
どう思ってる?」
「どう?」
うん、目の前でコナンくんはそう言ってうなずいた。どうおもっているんだろうか、うまく言葉が見つからない。ふらりふらと目をおよがせる。そんな時、わたしの目の前のオレンジジュースの入っているコップがたいようの光をあびて、きらりとかがやいた。
「ぴかぴか、って…いうか」
「ぴかぴか…?光ってこと?」
「うーん…そんなかんじかなぁ」
おにいさんはやさしくて、きれいで、それは光みたいなものなのかもしれない。たいようみたいにまぶしくて、そのかがやきをこの目でしっかり見ることができないみたいに。
「おにいさんはわたしの
ひかりなのかもしれないなぁ」
ひかり、となりのコナンくんが言葉をくり返してちょっとだけ笑った。やさしいえがおにつられて笑う。おにいさんもここにいたら、うれしそうに笑ってくれるかな。
「あれ、灰原だ」
「あいちゃん…?ほんとだ!!」
まどの外、あいちゃんがこちらを見ながら笑っていた。手をぶんぶんとふれば、小さくだけどたしかに手をふりかえしてくれる。おにいさんも来ないし、ちょっとお話ししてくるねとコナンくんに言って、わたしはいすから降りた。
「あいちゃん!…とあ、れ」
ドアをあけようとのぞき込んだいっしゅん、見覚えのある金色がぴかぴかとかがやいていた。おにいさんだ。おにいさんが来たら伝えようとおもってた言葉がぐちゃぐちゃになって、分からないままドアをあけすうっと外の空気をすいこむとわたしはちいさくつぶやいた。
「おにいさん」
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作者名:えだまめ | 作成日時:2019年10月30日 17時