妖怪アパートの幽雅な日常〜新たなる力の使い手〜二

第89怪 ページ40

夕士side

長谷)「まったく飽きないところだよ、ここは

なんだか人生が変わりそうな気がするぜ」

夕)「………

俺はすっかり変わった」

長谷)「あれが、魔道士かぁ…

お前やAもいつか、ああなるのかな」

夕)「バカ言え！

俺はんなつもりはねぇよ！

今も昔も俺の夢は即戦力のサラリーマンだっての

お前だって自分の軍団を組織して

親父さんが重役やってる大会社乗っ取って

お前王国を作るんだろ？」

長谷)「まぁな」


長谷の父は大企業の本社重役

母は大物政治家の娘

生まれた時から既に約束された将来

でも長谷は

さらにその上に自分だけの権力を拡大させようとしている


夕)「まったく、お前にじゃなきゃ叶えられねぇ夢だぜ！」

長谷)「本当にそう思うか？」

夕)「ああ！」

長谷)「途方もねぇ夢だぜ？

大企業の乗っ取りなんて」

夕)「…長谷？」

違和感を感じて長谷に声をかけた

長谷)「夢っていやぁ響きがいいがやってることは

金や時間や人材手配にかかる手間とか…

毎日そんなジメッとしたことばかり

日々の戦略ばかりの『夢』さ

だから…

時々その夢の果てが…

真っ黒に見えることもある」


…長谷

長谷の「本音」

…いや

「弱音」？

初めて聞いた…

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