妖怪アパートの幽雅な日常〜新たなる力の使い手〜二

第73怪 ページ24

夕)「ただいま」

あ)「ただいま〜」

花)「おかえりなさい…」

中へ入ると花子さんが声をかけてくれた

花子さんはいつも玄関にいて「いってらっしゃい」と「おかえりなさい」を言ってくれる人

季節によって着物のがらも変わるの

今は春だから桜の模様

秋)「あっ、夕士くんとAちゃん！

ねぇ大変！昨日古本屋さんから預かった封印された本、消えちゃったのよー！」

夕)「それなら大丈夫。ここにあるっス」

秋)「え？」

本を机に置いて今まであったことを話し出した

古)「まさか夕士くんがマスターに選ばれるとはね」

一)「悠久の時間の海で、広大な世界の果てで、巡り合うものたち

う〜ん『奇跡』だよネー」

夕)「そんな大げさな…」

本についての話を聞いている途中、いきなり頭の中に声が響いてきた

あ)「…誰…？」

思わずつぶやくと夕士くんが首を傾げてきた

夕)「A、どうかした？」

はっとして顔を上げるとみんながこちらを見ていた

あ)「ううん。なんでもない…

私、部屋戻りますね」


部屋に戻ると無意識のうちに机の引き出しを開けブレスレットを取り出していた

あ)「あれ、私…」

ブレスレットをしまおうと机の引き出しに手をかけたときだった

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