彼らの世界 (ページ4)

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俺がいるから、ページ4

マホトside

数日前から気になっていたあの傷の正体。

2年3組の教室を覗くと、案の定そこにはサグワがいた。

窓の外に集中していて俺に気づかない。

「よっ、サグワ」

と声をかけてみた。

＿＿＿＿俺だって怖い。

もしかしたら、関係が悪くなってしまうかもしれない。

必死に隠していたかもしれない。

嫌われるかもしれないから。

＿＿＿＿＿＿でも、

あいつの苦しみを、見て見ぬふりはできなかった。

つーかあいつ、頼ってくんねえわけ？

俺くらいには言ってくれよ。

「帰りながら話すわ。」

それだけ言って、俺は安心させるように笑顔を向けた。

それから、「好きなものは何だ」とか「好きなアニメは何だ」、「ゲームは何が好きか」みたいな他愛もない会話をした。

一通り会話が終わった頃には、公園の方まで来ていて。

俺は、そこで立ち止まった。

それに気づいたサグワは首を傾げて振り向いた。

深呼吸して、しっかり落ち着いて。

「あの、話してーことだけど」

それを口にしたとき、凍りついたようなサグワの表情は目を丸くしている。

俺は相手の手首を遠目に指差しながら、今は長袖で隠された箇所をとんとん、と。

「その、手首の傷ってなに？」