猫は丸くなる - ｲﾅｲﾚ - (ページ1)

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🐾爆誕ページ1

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ゆっくりと目を覚ましたその時、理解した。

───── 転生と言うやつなんだろう

はっきりと死の瞬間を覚えていた。鉄の塊に押し潰された一瞬の痛覚と
遠のいていく意識の中で、口元を覆っていたけどニヤけた口元と垂れ下がった目尻。

そんなに憎ければ、誰かを巻き込む前に消えろと言ってくれたのならよかったのに。

そんな“前世”を持つ自分。

産声を上げない子供に心配そうに眉をひそめ、それでも不安を与えないようにと必死に笑いかける母。
健康状態に異常はないと、何処か遠くでぼんやりと耳に届く声。

覚めない夢の中で彷徨うように、現実なのか夢なのか
分からないまま、ただ何となく時間が経過するのを体感していた。

「お誕生日おめでとう、もう2歳になるんだよ〜」

嬉しそうに頬を擦り寄せる母。
涙ぐみながら蝋燭に火をつける父。

「……もう、2歳になるのに」

与えられた玩具の数は愛情の数だろうか。
子供部屋を彩るカラフルな玩具達はあまり使われることも無く、新品同様のまま。

「兄弟が出来たら何か変わるかも知れない」
「奥さんがちゃんとしてないからよ」

暴力に似た言葉を浴びせられても、母は笑顔を絶やさずにいた。
目が合えば眉を下げて、優しく抱きしめてくれる。

「大丈夫、大丈夫だよ〜。急がなくてもいいんだよ、貴方が話したくなったらママとお話しようね、パパでもいいんだよ」

好きなことを声にしてくれたら、それでいい。

切ない声色でそう言われても、閉ざしてしまった心には何も届かなくて。

まだ穏やかな夢の中にいるようで。
目を覚ますのが怖い。

🐾