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「離れてくれません?」
そう言って急に雫石が俺と女の間に入ってくる
てか、"彼氏"って…
いや、これはただの噓だと分かってる。
それでも、嘘でも何処か嬉しく思ってしまう俺は相当、重症なんだろう
そのうち女は諦めたのかそのまま何処かに去っていった
「はぁ…ごめん遅れた」
「いや、大丈夫……それとありがと、さっきの」
「あはは、大丈夫ー」
一切気にしてないような顔で言われる。
正直、彼氏って言うところとかは気にしてほしかった。
でも、助けられてしまったのは事実
何か礼をすると言うと
「じゃあ、ちょっと」
と言って早速お店の前に並び始める雫石
案外早くお店の中に入れたなーなんて思ってると
店員に
「すみません、こちらのお店カップル割引きをして居るんですけど、えっとお付き合いをされていますか?」
は!?
思わず出そうになった声を何とか飲み込む
「はい、付き合ってます」
「は!?」
次の声は飲み込む事が出来ず出てしまう
店員はそれに気にせず俺たちを席に案内する
「雫石……」
「ごめんごめん、でもさっき言ったよねお礼したいーって」
「言ったけど…せめて一声欲しかった」
雫石には俺が怒ってるように見えるのか、謝ってくるが
俺からしたらさっきの事といい恥ずかしいからつい冷たくなってしまう
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作者名:ゆきだるま | 作者ホームページ:http://around-the-clock
作成日時:2020年10月2日 21時