《3》 ページ9
それから、オカンにあってから数ヶ月が過ぎていた。
「何で…何で吉江さんがこれ持ってんねん」
あの家に忘れてきた俺の日記。最近は、諦めて違うノートに書き溜めてたのに。
俺は、前よりぐちゃぐちゃになったような日記を眺めながら聞いた。なんだか、黒くなっていて、一部ページがない気がした。
「あんなぁ。コレ、オカン抱きしめてたみたいや。ごめんな。何もできひんくて」
そっから、吉江さんがどんなふうに話していたか覚えていない。
分かったんは、あの家は燃えたらしい。
それから、あの、おっちゃんはどっかで生きながらえてとんのに、もうオカンも弟もおらんという事実。
無理心中っちゅーらしい。
勉強になった。でも…俺は、仲間外れやけど。
俺は以来、泣いて泣いての繰り返し。
かと思いきや、そんなこともなく、吉江さんに連れられて墓参りをして、そこで1回思いっきり泣いたあと、“無”の生活。
今まではちょっとした出来事でも書きとめて、オカンにどんなふうに話たろうか考えていたが、それも無いから。
ただ、すばるはハルのとこに通うのをやめて、何故かいつも俺の隣にいた。
そんなとき、1人。
「村上 信五くん。仲良ぉしぃや？」
エイトに仲間が増えた。と吉江さんから皆へ紹介される。
ソイツは、毎日泣いとって、うっとーしぃ。
「…なんやねん、アイツ」
「お前も素直になったら？」
すばるに言われても俺は首を傾げるしかない。
俺は1週間程度で痺れを切らし、夜中に1人で泣いてるソイツに聞いた。
「おい。お前、なんでここ来たん。捨てられたんか。泣いたって、誰も迎えになんてこぉへんで」
“いつか、4人でいっしょに暮らそな！おれ、オカンのこと守れるぐらいおっきなるからな！”
迎えに行く約束なんて守るやつおらんねんで。
ソイツは答えた。
「分かっとるわ!!誰も俺のことなんて、どうとも思ってへん！邪魔モンなんも知っとるわっ」
騒ぎに気付いたらしいすばるがやってきた。
立ち上がったソイツはそんなん気にせんと続ける。
「オカンもオトンもあんなクソ野郎のせいで死んで、俺は色んな人んとこ行ったけど、行った先行った先で邪魔モン扱い。お前やって、俺のこと邪魔やと思ってたんやろ！」
俺は答える言葉を失った。
コイツにも、“クソ野郎”がおるらしい。
「…お前、愛されてきたんやな」
すばるは笑っていた。
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light(プロフ) - 青磁さん» ありがとうございます(*^^*)了解しました！気長にお待ち頂ければと思います！ (2017年11月8日 16時) (
レス) id: d372c14226 (このIDを非表示/違反報告)
青磁(プロフ) - はじめまして。以前から、章大くんが初めて肺水腫を発症したときのお話が読んでみたいなあと思っていたので、リクエストしてもよろしいでしょうか。もし記憶違いで既に書かれていたらすみません。 (2017年11月7日 23時) (レス) id: 42ee9097d5 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - リクエスト完結！ありがとうございます！！ (2017年10月9日 16時) (レス) id: 7c86a26d92 (このIDを非表示/違反報告)
light(プロフ) - みかんさん» 完結いたしました〜！ご希望に添えれていれば良いですが^^;また遊びに来てください! (2017年10月4日 22時) (レス) id: 803a88353c (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - リクに応えていただき、ありがとうございます！！ドキドキしながら、切なくなりながら読んでおります。 (2017年10月2日 22時) (レス) id: 7c86a26d92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：light | 作成日時：2017年9月22日 12時
