《2》 ページ48
「コイツらは、章大や亮のために、我慢する生活をするなら、俺らの元におらん方が幸せやったかも知らへん」
「そんなこと無いよっ！
そんなこと言わんといてやっ」
忠義も裕に泣きついた。
「…………せやけどな……
俺らが出会って、こうして7人でおることが、
必然やったと思うねん」
裕はそこまで言うと途端にひっくひっく言いながら泣き始めた。
「……っ、くっそ、泣くなや俺っ」
「そうやで。すばるくん身勝手過ぎる。
もうとっくに、すばるくんが作り上げた俺らの関係性が有るのに、それを置いて、自分だけ自由なん？
俺らの思いは、無視なん？」
忠義が問いかけた。
「お前らの思いなんて、俺が1番知ってるわ、アホ。
……でも、今は、自分の思いを優先させてくれ」
ﾌﾌｯと笑いながらすばるはもう一度頭を下げた。
「じゃ、じゃあ！せめて、離縁届けなんて出さんくてもええやんか」
目の前に置かれた資料を裕は悔しそうに突き返す。
そやそや、と信五も訴えかける。
「忠義や亮も、今や家から出て働いてるし、隆平なんて病院泊まり込みで帰ってこぉへん。
章大やって、海外出張まで出来るようになったんや。１週間や2週間家をあけることもある。
それでも家族やろ！？」
「……じゃあ、俺とお前とお前。
俺と隆平や忠義は家族やなかった？
俺の家族は渋谷章大と、渋谷亮だけか？」
「それは話がちゃいますやんかっ」
亮がもー！っと眉を下げて困り顔で言う。
最も言いたいことがあるのは隆平なんだろうが、いかんせん言葉が出てこない。
隆平も頭を抱えて、唇を噛んで、ぎゅっと冷や汗握る手に力を込めていた。
裕はまた問いかける。
「ほんなら、書類上のことを抜きに、ただ、恩師の元へしばらく行ってくる。じゃ、アカンのんか？」
「帰ってくる場所があったらそれは甘えや。
それに、何にも無い俺に戻って始めたいんや」
すばるの言葉と声とその目に、誰も何も言えなくなってしばらく。
章大が口を開いた。
「……ボクらの一生かけた恩返しは、受け取ってくれへんの？
アナタと人生ともにして、同じ未来を見て、
同じ歩幅で歩いて、時には補い合って、そんで、同じところで泣いて、同じところで笑う。
ただ、それだけ。生きることだけを夢見て、生きてきたんよ。
今、生きてることに感謝してる。
だから、この命の限り、アナタに人生捧げようと思ってんねんで」
静かに静かに涙を流しながら、すばるを愛おしそうに見つめる。
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light(プロフ) - 青磁さん» ありがとうございます(*^^*)了解しました！気長にお待ち頂ければと思います！ (2017年11月8日 16時) (
レス) id: d372c14226 (このIDを非表示/違反報告)
青磁(プロフ) - はじめまして。以前から、章大くんが初めて肺水腫を発症したときのお話が読んでみたいなあと思っていたので、リクエストしてもよろしいでしょうか。もし記憶違いで既に書かれていたらすみません。 (2017年11月7日 23時) (レス) id: 42ee9097d5 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - リクエスト完結！ありがとうございます！！ (2017年10月9日 16時) (レス) id: 7c86a26d92 (このIDを非表示/違反報告)
light(プロフ) - みかんさん» 完結いたしました〜！ご希望に添えれていれば良いですが^^;また遊びに来てください! (2017年10月4日 22時) (レス) id: 803a88353c (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - リクに応えていただき、ありがとうございます！！ドキドキしながら、切なくなりながら読んでおります。 (2017年10月2日 22時) (レス) id: 7c86a26d92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：light | 作成日時：2017年9月22日 12時
