ep25.青春のすべて《1》 ページ47
「……なんでなんスか？」
亮は涙を浮かべて問いかけた。
「もう決めたことや。
もうお前らに俺は必要ないやろ」
すばるはそう言い切った。
「そんなわけないやん！！！
家族やろ！？ボクらにはすばるくんが必要や！
今更、何言うてるん？」
立ち上がる章大は、こんな遅い時間にも関わらず、そう叫んだ。
すばるは、自分の指輪と、そしてネックレスにしたハルの指輪をも、6人の前で外した。
いとも簡単に、自由になった。
「章大の手術でアメリカに行った時、世話になった人がおる。その人へ恩返しに行く。もう俺もこの歳やし。ただ、それだけや」
いや、この覚悟は簡単なものではないことは明らかだった。
6人にはその目を見ればそんなこと、分かる。
でも、こんな時にやっぱりただをこねるのは末っ子で。
「それだけ？何それ。俺らの人生は？
やっと皆独立して、そりゃもう俺らもおっさんに近い……てか、おっさんの年齢やで？
やからこそ、自分らの老後まで面倒見る覚悟してんねんで！」
「……ん？アホ、お前、信ちゃんはそんな簡単に死なへんで！？笑」
「どういう意味や！！」
隆平は爆笑しながら言うけど、涙が流れている。信五が突っ込む声も震えている。
座れ、と章大に目で訴える裕。
「恩返し、なんて、綺麗事言うなや。
ほんまは、何や。ここまで来て自分のしたいことしたくなったんか？」
すばるの方を見らずにそう問う。
「……気付いたらここまで来てもうてた。
すまん。お前らを巻き込んだのは謝る」
すばるの声に、4兄弟は落胆した。
「違うっ！巻き込んだのは俺やっ！
すばるくんの人生、邪魔したんは俺やっ！」
「今更、謝られても、納得するわけないやろ？
何やねんっ！嫌やっ！……っ！
んー何か言葉出てこおへんけど、嫌やっ！」
章大と亮が涙を流す。
「お前らは黙っとれ！！！
今は、ヨコとヒナと話してんねんっ」
怒号が響く。今まで静かに話していたすばるが目をバキバキにさせて言った。
「…………はぁ？……あぁ、そうや。
渋谷すばるには、振り回され続けたで？
やからなんやねん！
これからもお前に振り回される人生覚悟しとるっちゅうねん！」
信五が同じように顔を真っ赤にさせて叫ぶ。
「お前がほんまに巻き込んだんは、俺やない。
ヒナでもない。隆平と忠義や」
「裕ちん……」
やめて、とでも言わんばかりに首を横に振りながら、その手を握る隆平。
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light(プロフ) - 青磁さん» ありがとうございます(*^^*)了解しました！気長にお待ち頂ければと思います！ (2017年11月8日 16時) (
レス) id: d372c14226 (このIDを非表示/違反報告)
青磁(プロフ) - はじめまして。以前から、章大くんが初めて肺水腫を発症したときのお話が読んでみたいなあと思っていたので、リクエストしてもよろしいでしょうか。もし記憶違いで既に書かれていたらすみません。 (2017年11月7日 23時) (レス) id: 42ee9097d5 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - リクエスト完結！ありがとうございます！！ (2017年10月9日 16時) (レス) id: 7c86a26d92 (このIDを非表示/違反報告)
light(プロフ) - みかんさん» 完結いたしました〜！ご希望に添えれていれば良いですが^^;また遊びに来てください! (2017年10月4日 22時) (レス) id: 803a88353c (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - リクに応えていただき、ありがとうございます！！ドキドキしながら、切なくなりながら読んでおります。 (2017年10月2日 22時) (レス) id: 7c86a26d92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：light | 作成日時：2017年9月22日 12時
