ep23.alcohol ページ37
｢……あれぇ？和也くんはぁ？｣
小学２年生になった秋。
章大はパジャマのまま、手を繋いで診療室のドアを開ける。
｢何言ってるの 笑笑｣
｢先生なら目の前におるやんか。
まだ寝ぼけてるん？｣
ふふふと笑った看護師に章大も亮すらも不思議だった。
｢……少し3人にしてもらえます？
後からお呼びしますので｣
はい、と医師の言葉に素直に頷いた看護師がいなくなって、双子はその方を見た。
人見知り全開に、亮は章大の影に隠れて、章大も戦闘態勢(両手を胸の前でグーにしているだけ)
｢だぁれ？今日はりょーのけんさの日やで〜｣
｢…………神楽。と申します。
アナタ方にお伝えしなければならないことがあります｣
どうぞ、とベッドに座るように亮、章大、と順に両脇に手を入れて持ち上げていく白衣の和也。
｢今は何歳ですか？｣
｢しょーちゃんはね、9歳！りょーはまだ8歳！｣
自信ありげに章大が答えて、亮はふんっとそっぽを向いた。
神楽は、和也と同じ笑い声で、可愛い。と呟いた。
｢…早く…大きくなりたい？｣
｢そうやで！大きくなったらな？
すばるくんの作ったお酒が飲めるねん！｣
正確には製造はしていないが。
純粋無垢な章大は
｢りょーが20歳になったら、一緒にお酒飲むんやで！
やから、びょーき、がんばって治すんや〜｣
ねーっ？て、亮と顔を見合わせる。
｢一緒にお酒は飲めないよ。章大｣
｢えぇー！？
お酒っておさとーいっぱい？ジュースみたい？｣
そうなの！？って亮も尋ねる。
どうやら、甘いジュースがダメなのと同じ部類だと思ったらしい。
｢そうやあらへん。
章大はあと10年生きられへんねん｣
低い声は父親のようで、亮はﾋﾞｸﾝと体を強ばらせて、章大に身を寄せた。
章大は1ミリも動かずに、
｢10年ってどのぐらい……？｣
震えた声で聞く。
｢りゅ、ちゃん、もうすぐ10歳……｣
答えたのは亮で、
｢……そうだね。
隆平が生まれてもうすぐ10年になる はず だね｣
標準語で優しく答えたのは誰だったんだろう。
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light(プロフ) - 青磁さん» ありがとうございます(*^^*)了解しました！気長にお待ち頂ければと思います！ (2017年11月8日 16時) (
レス) id: d372c14226 (このIDを非表示/違反報告)
青磁(プロフ) - はじめまして。以前から、章大くんが初めて肺水腫を発症したときのお話が読んでみたいなあと思っていたので、リクエストしてもよろしいでしょうか。もし記憶違いで既に書かれていたらすみません。 (2017年11月7日 23時) (レス) id: 42ee9097d5 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - リクエスト完結！ありがとうございます！！ (2017年10月9日 16時) (レス) id: 7c86a26d92 (このIDを非表示/違反報告)
light(プロフ) - みかんさん» 完結いたしました〜！ご希望に添えれていれば良いですが^^;また遊びに来てください! (2017年10月4日 22時) (レス) id: 803a88353c (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - リクに応えていただき、ありがとうございます！！ドキドキしながら、切なくなりながら読んでおります。 (2017年10月2日 22時) (レス) id: 7c86a26d92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：light | 作成日時：2017年9月22日 12時
