《3》 ページ35
その時。
｢亮ちゃん！びっくりしたーーー！｣
隆平が叫んで全員漏れなく大爆笑。
｢章ちゃんは！？｣
さっきの隆平にそっくりな汗だく。
もう辺りは真っ暗やし寒いはずやけどな。
すばるは安堵にまた息を吐いた。
｢あー、飲み忘れか……まぁなぁ……
忙しいとな〜んー。｣
苦笑いの亮。自分は何度も何度も経験しているから強くは言えない。
｢てゆうか、神戸から帰ってきたん？｣
｢おん。始発で戻るけど？｣
さすが過保護の亮ちゃん。
真顔で言うから裕の心配なんていらないほど。
｢んっ……｣
そしたら、笑い声で章大が目覚めた。
｢あ、れ……。……ぅっ……ごめ、……なさい｣
泣きそうな章大やけど、涙は流さない。
大人になった証。
｢決められた時間に決められた分飲まへんと、心臓死ぬんやで。｣
冷たく、すばるは言い放つ。
｢このｺﾄﾞｳﾉｵﾄはお前の心臓ちゃうねんで。
お前のために死んだ誰かのもんや｣
章大の胸に手を当てて、まっすぐと訴える目を章大は直視できなかった。
｢分かってます。
でも、っ…｣
｢でもじゃない。
この心臓がお前の中にあるのは、お前の母親が命懸けで守ったお金のおかげやの。｣
まぁまぁとすばるを忠義が宥めるけど、その表情は固いまま。
｢…どれぐらい？…入院｣
｢１週間やて｣
信五にマジで！？と返す章大。
｢無理やて！コンペ間に合わへんっ！｣
｢まだ言うかその口がっ！｣
｢ちょっと、もう子供やないねんで！｣
信五が頬をつねろうとしたら、章大はその手を振り払った。
｢何やねん、反抗期かっ、｣
それでも、そんな風にペシっと頭は叩かれるんやけど、章大は真剣そのもの。
｢なんでそんなに？｣
亮が尋ねる。
｢……デザイン、パクられてん。先輩に。
いや、まぁパソコンのロック甘かったん俺やけど……
せやから。1から作り直し。
でも前の以上のもんが出来ひんねん｣
｢ホンマにドラマの悲劇のヒロインみたいなことがお前には、よぉ起きんなぁ笑｣
亮も驚いた顔で言う。
｢死んだら仕事出来んやろが、阿呆ぉ｣
すばるはそう告げると、章大の頬に手を当てた。
｢ん。……今回は諦めるわ……｣
素直になったものの、そのまま熱も上がって結局、10日も入院。
｢なぁ、すばるくん。｣
｢んー、？しんどいか？｣
｢うぅん。
……結局、俺はいつまーでも、俺やなぁって｣
｢何やそれ笑
無理せんようにな｣
毎日毎日誰かが章大の病室へ。
章大は7色のクレヨンでスケッチを続けていた。
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light(プロフ) - 青磁さん» ありがとうございます(*^^*)了解しました！気長にお待ち頂ければと思います！ (2017年11月8日 16時) (
レス) id: d372c14226 (このIDを非表示/違反報告)
青磁(プロフ) - はじめまして。以前から、章大くんが初めて肺水腫を発症したときのお話が読んでみたいなあと思っていたので、リクエストしてもよろしいでしょうか。もし記憶違いで既に書かれていたらすみません。 (2017年11月7日 23時) (レス) id: 42ee9097d5 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - リクエスト完結！ありがとうございます！！ (2017年10月9日 16時) (レス) id: 7c86a26d92 (このIDを非表示/違反報告)
light(プロフ) - みかんさん» 完結いたしました〜！ご希望に添えれていれば良いですが^^;また遊びに来てください! (2017年10月4日 22時) (レス) id: 803a88353c (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - リクに応えていただき、ありがとうございます！！ドキドキしながら、切なくなりながら読んでおります。 (2017年10月2日 22時) (レス) id: 7c86a26d92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：light | 作成日時：2017年9月22日 12時
