ep22.お仕事中《1》 ページ33
社会人も5年目。
後輩も出来てきて、章大も体とのお付き合いにだんだん« 慣れ »が出てきていた。
カタカタとパソコンを使い、色んな資料を集めて、自分のスケッチブックと睨めっこする章大。
｢……っ……ヤバいな……｣
カレンダーにマルを付けたコンペの締切日。
そこまでに完成させて、且つ採用されるかどうかの判断は上司の仕事。
最近は、建築デザインの仕事で。
章大の部署では、中々の大手企業が新しく本店を移動するとのことで、その内装や間取りを担当する。
それを実現するのが裕の仕事で、最近は少しずつ章大のアイデアも採用されて誇らしい矢先。
｢横山監督〜、設計部門から電話が繋がってま〜す！｣
後輩に言われた裕は、駆け足で休憩所に戻り、その電話を受け取った。
｢はい、横山です。
23日の件ですよね？｣
てっきり、仕事の話だと思っていた裕は、メモを取ろうとペンを握って、唖然とした。
『今、医務室に運ばれたところです。
荷物は僕が持っていきますが、どうしましょう？』
｢え、っ、と……スグ会社帰ります！
本人と話せますでしょうか？｣
『それが、僕も状況が分からなくて……
また追ってご連絡しますから、お気を付けて』
よろしくお願いしますと乱暴に電話を切る。
｢悪い、会社帰る。一台借りるわ。
何かあったら連絡してくれ。
もう今日は作業終わってええで｣
夕刻16時40分。
いつもより少し早いけど片付けを頼み、トラックに乗り込んだ。
現場まで電車で来たから俺の車は家や。
｢意外と混んでんな……｣
そう呟きながら、忠義に電話。
もう定時を過ぎていたからええやろ。
『はいはい？どうしたん？』
｢もしもし？
いや、何か章大具合悪いみたいやわ
車回してくれへん？｣
『マジで。俺まだ帰られへんわ……
スタッフさんにまかない作ってる途中やねん』
｢そうか、分かった。
とりあえずヒナに電話しといて。
あとLINEで報告だけしといてくれる？｣
『はいはい、りょー。』
忠義は九州から帰ってきて1年目。
今や一緒に暮らしているわけではないが、車で30分ほどのところにある和食定食屋さんに住み込みで働いている。
残念ながら、免許持ちは子供たちと俺だけ。
昔は運転出来る年齢だったのが隆平だけだったから免許取らしたけど。
あの事故以来、今やペーパー。
亮は今週は神戸に出張やしな……と考えながら再びアクセルを踏んで、約15分。
｢お疲れ様でーす。すんません。横山です。
章大……は？｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 71人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
light(プロフ) - 青磁さん» ありがとうございます(*^^*)了解しました！気長にお待ち頂ければと思います！ (2017年11月8日 16時) (
レス) id: d372c14226 (このIDを非表示/違反報告)
青磁(プロフ) - はじめまして。以前から、章大くんが初めて肺水腫を発症したときのお話が読んでみたいなあと思っていたので、リクエストしてもよろしいでしょうか。もし記憶違いで既に書かれていたらすみません。 (2017年11月7日 23時) (レス) id: 42ee9097d5 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - リクエスト完結！ありがとうございます！！ (2017年10月9日 16時) (レス) id: 7c86a26d92 (このIDを非表示/違反報告)
light(プロフ) - みかんさん» 完結いたしました〜！ご希望に添えれていれば良いですが^^;また遊びに来てください! (2017年10月4日 22時) (レス) id: 803a88353c (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - リクに応えていただき、ありがとうございます！！ドキドキしながら、切なくなりながら読んでおります。 (2017年10月2日 22時) (レス) id: 7c86a26d92 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：light | 作成日時：2017年9月22日 12時
