《3》 ページ27
『隆！いい加減にしなさい！』
そんな声はもちろん裕のモノ。
『ふへへっ……今、りゅーちゃんは、帰りたくないって駄々をこねてますっ！』
小さな小さな声でカメラを自分に向けている忠義がニンマリ笑っていて、後ろには、泣きべそをかいている隆平が映り込んでいる。
『コラｯ、勝手に触ったらアカン』
信五が映り込んできて、今度は忠義ではなく、信五の顔がアップに。
『あら、ん？ヨコぉ、これどないやって使うねんっ』
ずっとキョロキョロして、どこかのボタンを押そうとしている信五が映って約1分。
『もぉ！俺が消すっ』
忠義の声でまた途切れた。
──────────────
『……ゴホッゴホッ……りょ……ｹﾎｯ』
『…8月23日。
章大がICUに移動になりました。
意識が朦朧としてて亮たちの名前を呼んでいます』
今度のアップはガラス越し章大。
震える声はもちろん、すばるのものだ。
『だから、今からエールを貰いに行きます』
──────────────
切り替わったところは、小児科病棟と書かれた案内板。
『章大に見せます。
何か言ってやってください』
『おぉ、章大、頑張れよっ！
…絶対、約束守るぞ。忘れるなよっ』
まずは達也先生。
それから、看護師のお姉様たち。
『おい！俺、ちゃんと、毎日あの薬飲んでやってんだから、章大もはよ帰って来い！』
そして、共に治療を頑張る子供たち。
次に切り替わったのは、精神科病棟の1角に作られた、【お部屋】の看板。
『来たで〜』
『おぉ、亮、すばるやで。良かったなぁ』
顔を上げたのは信五だった。
振り返る亮は走って近付いてきて、すばるに抱き着く。
『章ちゃんは？』
すばるの足元にしがみついて上目遣いの亮。
『ふっ……お、おん、大丈夫大丈夫。
お前は何してたん？』
『亮なー？章ちゃんに曲作ってた！信ちゃんにピアノも教えてもろた！』
『そっかぁ。凄いやんか〜』
要観察の患者が入れられるそこに、亮はこの前日から生活していた。
少し子どもっぽい口調に合わせて、すばるも幼稚園児に対するような態度。
信五がテーブルの上に散りばめられた楽譜を片付けながら、笑っている。
『二人とも、章大に頑張れって言ってあげて』
『コレに？』
『そう。章大に見せるからな』
『うーん。あんなぁ。亮、頑張るからなぁ。
皆のことは任せてなっ！』
亮は大きく頷いて、笑っていた。
頑張れとむやみに言うではなく、一緒に頑張っていくところがこの双子の良さだ。
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light(プロフ) - 青磁さん» ありがとうございます(*^^*)了解しました！気長にお待ち頂ければと思います！ (2017年11月8日 16時) (
レス) id: d372c14226 (このIDを非表示/違反報告)
青磁(プロフ) - はじめまして。以前から、章大くんが初めて肺水腫を発症したときのお話が読んでみたいなあと思っていたので、リクエストしてもよろしいでしょうか。もし記憶違いで既に書かれていたらすみません。 (2017年11月7日 23時) (レス) id: 42ee9097d5 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - リクエスト完結！ありがとうございます！！ (2017年10月9日 16時) (レス) id: 7c86a26d92 (このIDを非表示/違反報告)
light(プロフ) - みかんさん» 完結いたしました〜！ご希望に添えれていれば良いですが^^;また遊びに来てください! (2017年10月4日 22時) (レス) id: 803a88353c (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - リクに応えていただき、ありがとうございます！！ドキドキしながら、切なくなりながら読んでおります。 (2017年10月2日 22時) (レス) id: 7c86a26d92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：light | 作成日時：2017年9月22日 12時
