《3》 ページ14
それからというものの、亮は毎日不安定な日々が続いていて、正直、大人たちは限界。
母親がどう出て来るかわからない。
そんな中で、裁判が始まっていた。
すばるは一人で見に来た。初めて見る亮の母。
育児放棄に対する刑罰が下る姿に、顔もわからない自分の母親を重ねた。
その場で、和也や翔の用意したカルテにより、亮の心身の状態を世間に知られた様な気分。
「…私は亮を愛しています。お金が無かっただけです」
そんな被害者ヅラで言う女に、すばるは思わず叫びそうになった。
「もし、懲役が終わったら、きちんとやり直したいとまで思っています」
“アナタの1つ1つの行動が…”そんな声が聞こえた気がして、唇を噛んだ。
やっと週末がやってきて、皆で章大のところへ。
「亮。話がある」
今日、告げることを決めていた。
少しだけ目を潤ませた亮にすばるは目線を合わせた。
「あんな。お前のオカン。元気にしとったで」
目を見開く亮。そりゃあんな女でも、亮にとったら、酷い父親から守ってくれた母親だ。
ホッとした表情になった亮に、裕も信五も複雑な心境だった。
「……もしかしたら、いつか、お前のことを迎えに来るかもしれん。その時はどうしたい？」
すばるは、もう泣いていた。
「章ちゃんと、すーくんと、みんなといっしょ？」
「…ううん、ちゃう。亮だけや。お前はもう…俺らと会われへんようになる」
すばるは自分の言い方に卑怯さしか感じていなかった。こんなの、誘導尋問や。
「また、オカンおらんくならへん？りょお、ひとりになる…？」
すばるは答えられなかった。
こんな伝え方、亮があの辛かった日々を思い出して、イヤやと思ってくれるように仕向けてるみたい。
隆平と忠義がそれぞれ父親に抱きついているのが視界に入る。
「すばるくん、おれらのことまもるっていったやん！！…イヤや！ぜったいイヤや！…章ちゃんはおれがまもんねんから！はなれたくない！」
「…亮、もしもの話や。でも、その時は、俺が章大のこと守るって約束するから」
こんなの自分でも間違ってると、すばるも分かっていつつ、口からどんどん言葉が出てきてしまう。
「ﾊｧﾊｧﾊｧっ、章ちゃんはわたさへん！ぜったい！」
亮は章大の身体を抱きしめた。
「…俺がぜったい、章大のこと、まもってみせるから。亮をひとりにさせないで」
パッとそばにあった章大のペンケースから、取り出されたハサミ。
それは、章大の腕と亮の腕とに当てられた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 71人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「関ジャニ∞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
light(プロフ) - 青磁さん» ありがとうございます(*^^*)了解しました！気長にお待ち頂ければと思います！ (2017年11月8日 16時) (
レス) id: d372c14226 (このIDを非表示/違反報告)
青磁(プロフ) - はじめまして。以前から、章大くんが初めて肺水腫を発症したときのお話が読んでみたいなあと思っていたので、リクエストしてもよろしいでしょうか。もし記憶違いで既に書かれていたらすみません。 (2017年11月7日 23時) (レス) id: 42ee9097d5 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - リクエスト完結！ありがとうございます！！ (2017年10月9日 16時) (レス) id: 7c86a26d92 (このIDを非表示/違反報告)
light(プロフ) - みかんさん» 完結いたしました〜！ご希望に添えれていれば良いですが^^;また遊びに来てください! (2017年10月4日 22時) (レス) id: 803a88353c (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - リクに応えていただき、ありがとうございます！！ドキドキしながら、切なくなりながら読んでおります。 (2017年10月2日 22時) (レス) id: 7c86a26d92 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：light | 作成日時：2017年9月22日 12時
