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1度目の手術が終わり、また小さな箱に入れられた章大を眺めながら母は言う。
「毎日、同じような夢を見ます。章大の病気が分かったときの夢」
和也は、それを黙って聞いていた。
潤から頼まれていたから、今日は白衣を脱いで“弟の友人の相談”に乗っていた。
「潤先生や翔先生…新生児科、小児科の先生までもが、一生懸命、章大を救おうと、細かく手術のことや病気のことを教えてくれて、それも覚えています。せやけど、そんなことは一切すっ飛ばして、悪魔の声が私を問い詰めてくる」
視線の先で章大が少しだけ動く。
そのたびに繋がれた管たちが外れないか、絡まらないか、和也は心配してしまう。
が、もう母にとったら、我が子に何も繋がっていないほうが心配になるほど、それが当たり前になっていた。
「せめて、尼に帰れたら、旦那もいるし少しは楽なんでしょうけど…こんなにいい環境は無いんです。金銭的にも、治療の内容にしても」
和也はまた黙って頷いた。
…まぁウチ的にも有り難い話だ。
こんな珍しい症例、手放すはずがない。
智が、雅紀や翔の腕を上げるために、この手術を別の場所でさせるはずがなかった。
「…旦那さんは、近くにいないかもしれないけど、章大くんとアナタのために、一生懸命働いてくれてますよ、きっとね」
そうですね、と久美子は微笑んだ。
暫くして、章大が風邪を引く。
生後間もない子供が風邪を引くなんてまぁよくあること。
いくら気をつけていても、小さな体と強くない心臓が細菌を体内で殺すことなんてできず。
「かなり、危険な状態です。章大くんの生命力を信じるほか有りません」
潤が告げる。
たかが風邪。それも子育ての醍醐味。
心配しつつも、あわてふためいた数日が母にとっては後に思い出になるはず。
なのに、我が子は、体中を紫にして、咳もできないほどの浅い呼吸。懸命に体に酸素を入れようと吐く息1回に付き、吸う息は平均3回。
赤ちゃんなら泣くのがお仕事。
「あー、泣かないで！お願いっ」
顔がグチャグチャになるのも可愛いなんてよく聞く話。
だけど、今は静かにしていてほしい。
「お、お母さんっ。他にもお子さんいらっしゃいますから、あまり大きい声は…1回出ましょう？…ね？」
看護師に連れられて廊下に出される。
「っ…皆…章大より後に生まれた子たちでしょ？どうしてっ…何で章大だけ…」
後ろを振り返っても、真っ暗です。
ほら、見て。唯一、前にある光は、あの金に輝くエレベーター。
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light(プロフ) - 青磁さん» ありがとうございます(*^^*)了解しました！気長にお待ち頂ければと思います！ (2017年11月8日 16時) (
レス) id: d372c14226 (このIDを非表示/違反報告)
青磁(プロフ) - はじめまして。以前から、章大くんが初めて肺水腫を発症したときのお話が読んでみたいなあと思っていたので、リクエストしてもよろしいでしょうか。もし記憶違いで既に書かれていたらすみません。 (2017年11月7日 23時) (レス) id: 42ee9097d5 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - リクエスト完結！ありがとうございます！！ (2017年10月9日 16時) (レス) id: 7c86a26d92 (このIDを非表示/違反報告)
light(プロフ) - みかんさん» 完結いたしました〜！ご希望に添えれていれば良いですが^^;また遊びに来てください! (2017年10月4日 22時) (レス) id: 803a88353c (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - リクに応えていただき、ありがとうございます！！ドキドキしながら、切なくなりながら読んでおります。 (2017年10月2日 22時) (レス) id: 7c86a26d92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：light | 作成日時：2017年9月22日 12時
