ep4.Mr.traveling Man ページ10
ギターを持って小児科病棟へ向かう。
子供たちが集まってきた。
「章大お兄ちゃん、おかえり！」
「ただいま！ええ子にしとったぁ？」
「うん！僕、採血泣かなかったもん！」
そうか。偉いなぁ。
章大は男の子の頭をなでた。
「今日は何弾いてくれる？」
「そやな〜」
リハビリを重ねて体力もつき、10月中旬になってやっと一人で歩けるようになった章大は、もうすぐ退院することが決定したため、ある人に会いに行く。
「こんちは〜達也先生おる？」
「おおー！おかえり」
「皆、勉強頑張ってますか？」
「勉強も治療も一生懸命頑張ってるよ」
五十嵐総合病院も例外ではなく、院内学級を設けていて、その担任教師をしているのが、彼、山口達也という男。
「てゆうか、先生またダイビングいったやろ？真っ黒焦げやん 笑」
「良いじゃねぇか。お前だって、魚眺めるの好きだったろ？」
笑う達也は、下がってきていた丸い銀縁のメガネを上げた。
「なぁ、章大。泳げるようになったら、一緒に奄美大島でシュノーケリングするって約束、覚えてるか？」
章大のおばあちゃんは奄美大島にいたらしいと、潤から聞いていた。
章大は行ってみたいなぁと話し、達也は自身が撮影した写真を章大に見せ、無謀な約束をしたのが、約10年前。章大が小学3年生の頃。
「あの後、智先生から言われたんだ。子供との約束はよく考えてしなさい、ってね。言っとくけど、10個も年下だよ？」
達也につられて章大もアハハと思わず笑ってしまう。
「だけど、本当にその通りだった。お前、6年生の夏に肺水腫になったろ？そん時にやっと俺はバカな約束をしたことに気付いたんだ」
「…でも、俺、生きてます。先生との約束、絶対果たします。そんで…遅れちゃうけどまず高校卒業しようと思ってます」
章大の言葉に達也は顔を上げた。
留年が確定したと昨日、すばるから聞いて、院内で1番に報告する人をこの人に選んだのだ。
「…2人が別々になるなんて、考えらんねぇ…」
「俺が1番不安ッスよ。亮だけが大人になっていく感覚」
「お前の担当医は5年もダブって医者になったんだ。お前にだって出来ないことはないよ。寧ろ今の時点で2年間ダブらずよく頑張ったじゃん」
父親には中々貰えない褒め言葉を貰いに今日も章大はギターを弾く。
「♪願うのなら望むのなら立ち止まらずに進もう。渡り歩くこの世界は時に厳しいけど」
「それは太一とすばるのだっての笑」
達也は章大の頭をクシャクシャにした。
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light(プロフ) - みかんさん» ありがとうございます!少し長くなってしまいましたが、そう言ってもらって嬉しいです！2章もよろしくお願いします(*^^*) (2017年9月23日 11時) (
レス) id: 803a88353c (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 「あ」何度も何度も読み返しています。何度も読んでもよいです！ (2017年9月22日 20時) (レス) id: 7c86a26d92 (このIDを非表示/違反報告)
light(プロフ) - みかんさん» お気遣いありがとうございます!まずは今のお話を完結させますので、お楽しみにしていてくださいね! (2017年9月15日 23時) (レス) id: 3b3f1b5c96 (このIDを非表示/違反報告)
light(プロフ) - 奏空さん» お久しぶりです(｡>艸<)ありがとうございます！了解しました〜知識が無いので難しいですが、頑張ります。お待ちくださいね (2017年9月15日 23時) (レス) id: 3b3f1b5c96 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 早速ありがとうございます。続きを楽しみに待ちます！そして、今回のお話が終わったら他の方のリスエストへ移っても大丈夫なのです！どのお話も楽しみにしています！ (2017年9月15日 1時) (レス) id: 7c86a26d92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：light | 作成日時：2017年7月9日 17時
