《5》 ページ48
厳しく育てられたはずなのに、信五は傷付いていた。
「…アハハッ…そうやったわ…俺ら家族ちゃうねんな」
ヨコなんて、暫く会っていないぐらいだったのに。と思う。
「でも、俺さ…せやから…家族やないから…アイツらに家族っちゅうもんを教えてやりたい…俺みたいに、愛されて育ってへん2人に」
自分でも思っていない言葉が出てきた。
信五だって、心の底から、2人を家族だと思っていたのだ。
だから、喧嘩だってするし、大切だから傷つくようなことをさせたくないのに、2人の意思も尊重したい。
「俺しか、知らんから。愛され方知らんから」
だけど、信五はまだ愛し方を知らない。
翌日、すばるはいつの間にかエイトの広間のソファーで寝ていて、仕事！と叫んで起き上がった。
「…あれ、あぁ、そうか日曜か」
良かった。休日で。
よく見れば顔を洗っている裕と歯を磨く信五。
「あ、すばる起きたん。おはよう。顔洗ったらアンタもご飯手伝って」
吉江の言葉におはようと返して、掛けられていたブランケットを畳んだ。
「…ごめん。朝飯まで食わせてもらって。ん。コレ…裸で申し訳ないんやけど。昨日の夕飯代と」
食事を終え、片付けを手伝う裕と、昼の仕込みを手伝う信五に預かったお金と自分のを合わせ、吉江に渡したすばる。
「おおきに。そしたら、はい、プレゼント」
「えっ？いや、貰ってや」
一度受け取ったのに、吉江は半分だけ、返してきた。
「…すばる。生まれてきてくれて、ありがとう」
すばるは照れて吹き出しつつもお金を受け取った。
「よぉ覚えてんなぁ。おおきに」
「今日からアンタらも親になるんやで。まぁ正確には、まだ先やろうけど。子どもたちにとったら、手続きとかそんなん関係ない。親が親として接したその日から、アンタらは家族や」
少し頷いて、すばるはもう一度ありがとうと呟いた。
「たー。泣き止みなさい 笑 俺もう行くよ？また来週な。ちゃんと来るから、な？」
「たーくん、そしたら、りゅーちゃんとドッジボールしようや、ほら、おいで〜」
何故か信五にくっついて離れない忠義を苦笑いしつつ、隆平が気を引いてくれている間に、3人は逃げるようにエイトをあとにした。
それから数カ月。
一週間に一度は交代で顔を見に行くことに。
並行して、新しい家を探し、家具を揃えて、春の桜が咲く頃、彼らはやっと、スタートした。
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light(プロフ) - みかんさん» ありがとうございます!少し長くなってしまいましたが、そう言ってもらって嬉しいです！2章もよろしくお願いします(*^^*) (2017年9月23日 11時) (
レス) id: 803a88353c (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 「あ」何度も何度も読み返しています。何度も読んでもよいです！ (2017年9月22日 20時) (レス) id: 7c86a26d92 (このIDを非表示/違反報告)
light(プロフ) - みかんさん» お気遣いありがとうございます!まずは今のお話を完結させますので、お楽しみにしていてくださいね! (2017年9月15日 23時) (レス) id: 3b3f1b5c96 (このIDを非表示/違反報告)
light(プロフ) - 奏空さん» お久しぶりです(｡>艸<)ありがとうございます！了解しました〜知識が無いので難しいですが、頑張ります。お待ちくださいね (2017年9月15日 23時) (レス) id: 3b3f1b5c96 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 早速ありがとうございます。続きを楽しみに待ちます！そして、今回のお話が終わったら他の方のリスエストへ移っても大丈夫なのです！どのお話も楽しみにしています！ (2017年9月15日 1時) (レス) id: 7c86a26d92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：light | 作成日時：2017年7月9日 17時
