《3》 ページ46
「コラ、章大ぁ！走ったらアカンやろ！」
「へーきやもん！」
吉江に反抗するなんて、この子のハートの強さは半端ないらしい。
「えっ、男の子かいっ！笑」
すばるは吉江に爆笑しながら言う。
確かに服装も見た目からして、最初は女の子のようにみえる。
すると、もう一人、男の子が走ってきて、章大のことを守るように、その前に立つキリッとした目をする。
「…りょー？だいじょうぶやでぇ」
章大は後ろから覗き込む。
「って、もう！ばいばーい」
亮は章大の腕を引いてズカズカどこかへ消えていく。
章大は掴まれていない方の手で手を振った。
3人はキョトン顔だが、問題児の4人の中の2人だろうと安易に想像できた。
「コラ、亮一！ゆっくり歩いてあげてよ！章ちゃん苦しなんで！」
吉江が叫んだ。
3人は、外で遊んでいる子どもたちにアメちゃんを配った。
とびきり元気にはしゃぎ回っている子がいて、3人は心の底から笑った。
「マルちゃん、げんきぃー？」
「げんきぃーーーーー！いぇーい！」
「げんきぃー？」
「げんきじゅりゅしーぃぃぃぃ」
元気？を問うばかりの子は爆笑しているから、頬に貼られたいくつかの絆創膏やガーゼが剥がれかかっていた。
3人が遊び疲れたころには、子どもたちもお昼寝の時間。
変わっていないのは、高学年の子が低学年の子を見るということで、吉江はこの時間が唯一の休憩時間。
「なにあの元気印の子ぉ 笑」
すばるは笑いながら問う。
「…丸山隆平くん。あの子には…お家を探したらなあかん。悪いことに巻き込みたくないんや」
「まさか、あの子やったん？ほんまに、ええ子に限って…」
眉にシワを寄せた信五は、はぁ、とため息をついた。
「詳しく、聞いてもええかな？」
裕は真剣な目で訴えた。
こうなったら言うこと聞かないと分かっているすばると信五は目を合わせた。
「…ホンマに、世の中腐ってんなぁ…」
すばるが窓から真っ暗になったま庭を眺めながら、信五に言った。
「死んでもええやつが生きてるなんて、皮肉なもんやな」
信五も窓に凭れながら項垂れた。
「ねぇねぇ、あのお兄ちゃん、お腹痛いのぉ？」
「ううん、あのお兄ちゃんはきっと…」
「コラ！章大も亮も早く風呂入っておいで！って、あぁ！走ってええなんて言うてへんよ！」
覚悟を決めた。
すばるは2人を引き止める。
「…俺がお前ら守ったる」
信五はまた、ため息をついた。
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light(プロフ) - みかんさん» ありがとうございます!少し長くなってしまいましたが、そう言ってもらって嬉しいです！2章もよろしくお願いします(*^^*) (2017年9月23日 11時) (
レス) id: 803a88353c (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 「あ」何度も何度も読み返しています。何度も読んでもよいです！ (2017年9月22日 20時) (レス) id: 7c86a26d92 (このIDを非表示/違反報告)
light(プロフ) - みかんさん» お気遣いありがとうございます!まずは今のお話を完結させますので、お楽しみにしていてくださいね! (2017年9月15日 23時) (レス) id: 3b3f1b5c96 (このIDを非表示/違反報告)
light(プロフ) - 奏空さん» お久しぶりです(｡>艸<)ありがとうございます！了解しました〜知識が無いので難しいですが、頑張ります。お待ちくださいね (2017年9月15日 23時) (レス) id: 3b3f1b5c96 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 早速ありがとうございます。続きを楽しみに待ちます！そして、今回のお話が終わったら他の方のリスエストへ移っても大丈夫なのです！どのお話も楽しみにしています！ (2017年9月15日 1時) (レス) id: 7c86a26d92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：light | 作成日時：2017年7月9日 17時
