《2》ちょこっと訂正 ページ35
あれ、どっちが地面やったけ？
熱い。なんやこれ。アカンやつ。
そう思ったときには、もう遅い。
ｷｰﾝと耳鳴りがして、ギュッと目を瞑ったら、章大は重力に逆らうことができなくなった。
「キャーッ!」
見学席の女子たちが叫んだ。
と、同時に、水しぶきが立ち上がる。
「章ちゃん!‼」
亮はプールに飛び込んだ。
沈んでいくその体をめがけて。
ピピピー!と笛の音が聞こえていた。
「…ﾊｧﾊｧ…ごめんっ！章ちゃん!…ﾊｧ、んッ…章ちゃん!しっかりしてやっ…」
唸る章大の肩を抱いて、亮はプールサイドに向かって、懸命に泳ぐ。
プールの水と汗と涙が混ざった味がした。
先生たちが一気に集まってきた。
無我夢中で章大のことを引っ張っている。
やっと、亮がプールから上がると、生徒たちがザワザワしていて、先生たちに隠れて章大の様子が分からない。
走って近づいていく。
「章ちゃん！おいって！！目ぇ覚ませやぁ！」
誰か知らない先生が、章大の体を揺らす亮を止めた。
のに、章大の体は揺れ続けていた。
「もしもし！？救急です！…12歳の心臓病の男の子が、プールに落ちて、けいれん起こしてます！」
先生のうち一人が電話をかけている。
「…あぁ…いやっ…いや、嫌やぁぁぁ！」
膝から崩れ落ちた亮は、赤白帽子を拾った。
「ﾊｧﾊｧ…ﾊｧ…俺のせいや…ﾊｧ…俺がっ」
「亮！しっかりしぃ！アンタしかおらんねんで！」
すば子は自分のバスタオルを亮にかけた。
「心肺蘇生とか、ほら、もう何でもええから！アンタができることあるやろ！」
無理やりその腕を引っ張って、立ち上がらせた。
潤に教えてもらった精一杯の知識で、亮は章大の心臓を強く強く押した。
丸子は倉子の頭にバスタオルをかけた。
顔にそれを当てる倉子は、その場にしゃがみこんだ。
プールサイドは濡れてはいるけれど、燃えるように暑くなっていて、思わず顔が歪んでいた。
「すんません、ちょ、失礼しますっ」
会議中、すばるはその場を抜け出して、震えるケータイを手に取った。
「もしもし？隆平？」
〚章ちゃんがプールに落ちたって！今、救急車が!!先生が一人同行してくれてはるみたい！亮ちゃんは俺が何とかしとく！とにかくはよ病院行ったって！〛
ガラスの向こうでは、鋭い視線を送ってくる上司がいたが、すばるは無我夢中で走り出した。
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light(プロフ) - みかんさん» ありがとうございます!少し長くなってしまいましたが、そう言ってもらって嬉しいです！2章もよろしくお願いします(*^^*) (2017年9月23日 11時) (
レス) id: 803a88353c (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 「あ」何度も何度も読み返しています。何度も読んでもよいです！ (2017年9月22日 20時) (レス) id: 7c86a26d92 (このIDを非表示/違反報告)
light(プロフ) - みかんさん» お気遣いありがとうございます!まずは今のお話を完結させますので、お楽しみにしていてくださいね! (2017年9月15日 23時) (レス) id: 3b3f1b5c96 (このIDを非表示/違反報告)
light(プロフ) - 奏空さん» お久しぶりです(｡>艸<)ありがとうございます！了解しました〜知識が無いので難しいですが、頑張ります。お待ちくださいね (2017年9月15日 23時) (レス) id: 3b3f1b5c96 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 早速ありがとうございます。続きを楽しみに待ちます！そして、今回のお話が終わったら他の方のリスエストへ移っても大丈夫なのです！どのお話も楽しみにしています！ (2017年9月15日 1時) (レス) id: 7c86a26d92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：light | 作成日時：2017年7月9日 17時
