《3》 ページ26
「なんやその同意書！俺が殴り込みに行ったろか！？」
「まぁなぁ…俺も、章大より亮が亮じゃなくなった時が心配やわ…確かに、亮1人で知らん子ぉらと宿泊ってのは怖いもんがあるわ」
信五と裕の会話に、すばるも項垂れる。
「お前ら声ﾃﾞｶｲから、まぁ内緒な」
もう遅いよ…
退院日の車内で、章大は目を瞑っていた。
2日前になって、クラスでは朝礼で旅行のしおりが配られた。
「それでは、1人1冊持って、名前書いて〜！」
クラスは何故か数日前から行事前独特の浮き足立った雰因気で、伊藤はいつもより大きい声を出していた。
「明日は授業無いけど、出発式と荷物検査が有ります。ゲームとか余計なものは持ってこないように！」
大きい荷物は事前にバスに乗せておくらしい。
「今日も授業なくてええのに〜」
なんて言う亮を宥めながら、章大はペンを持った。窓際に亮、その横に章大。
横に机を引っ付けて、並んで授業を受けれることがどんなに奇跡的なことか、章大は思わずふふふっと笑ってしまった。
「コラァ！授業中にしおりは必要ないやろ!」
章大はﾋﾞｸｩ！と思わず顔を上げた。
心当たりがあったわけではない。寧ろ出された問題に集中していて、そこに伊藤がいることに気付かなかった。
後ろの男の子が伊藤からしおりを没収されている。
「っっ…ハァ、んっ…」
ドクンドクンと心臓が跳ねているのに合わせて、思わず声が漏れる。
しかし、亮はニヤニヤして怒られている男の子を楽しそうに見ていて、そんな章大に気付く人は誰もいない。
良かった。大丈夫。コレぐらいなら。
章大は目の前の字が眩み始めたのを必死に耐えながら、手を動かした。
「章ちゃん？…当てられてるよ?章ちゃんならこんぐらいの問題出来るやろ？」
「へっ？あ、あぁ、うん」
もう授業も終わりに近付いているから大丈夫。
そう思いながら、早く休み時間になれと願っていたら伊藤は章大を指名していたようで、亮に言われて慌てて立ち上がる。
「珍しいな。話聞いてなかったろ〜お前も浮足立ってんのか？笑」
伊藤の声と皆の笑い声を背に章大はチョークを手に取った。
俺の背中、汗が滲んでないかな。
今日に限ってグレーのTシャツ着てもうた。
「正解！はい、みんな拍手!」
うっすーい皆の拍手を聞きながら、長い長い自分の座席を前から章大は眺める。
一歩一歩。明日も歩けるように。
ここでくたばってちゃ…
「しょ、章ちゃん!!」
亮が、宿泊体験できない。
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light(プロフ) - みかんさん» ありがとうございます!少し長くなってしまいましたが、そう言ってもらって嬉しいです！2章もよろしくお願いします(*^^*) (2017年9月23日 11時) (
レス) id: 803a88353c (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 「あ」何度も何度も読み返しています。何度も読んでもよいです！ (2017年9月22日 20時) (レス) id: 7c86a26d92 (このIDを非表示/違反報告)
light(プロフ) - みかんさん» お気遣いありがとうございます!まずは今のお話を完結させますので、お楽しみにしていてくださいね! (2017年9月15日 23時) (レス) id: 3b3f1b5c96 (このIDを非表示/違反報告)
light(プロフ) - 奏空さん» お久しぶりです(｡>艸<)ありがとうございます！了解しました〜知識が無いので難しいですが、頑張ります。お待ちくださいね (2017年9月15日 23時) (レス) id: 3b3f1b5c96 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 早速ありがとうございます。続きを楽しみに待ちます！そして、今回のお話が終わったら他の方のリスエストへ移っても大丈夫なのです！どのお話も楽しみにしています！ (2017年9月15日 1時) (レス) id: 7c86a26d92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：light | 作成日時：2017年7月9日 17時
