《4》 ページ21
翌日、隆平は一人、真面目に早起きして登校した。
最近反抗期の末っ子2人が、当然のように寝坊するからだ。
「良かったら、ノートが入っているのでどうぞ〜」
「あ、ありがとうございます！！」
隆平は、校門の前で配られていたとある塾のチラシを受け取った。
ノートを無料配布しているなんて、なんていい人だっ！そんなことを思いながら暑い廊下を歩く。
「眠いわぁ…昨日塾で12時まで授業しとったからさ〜もう学校の授業なくてええわ〜」
「俺も塾の宿題終わってへんから授業中せな間に合わへんわ」
隆平はそんな話をする同級生の横を通り過ぎた。
不安が押し寄せてくる。
今日は昨日出来なかった問題を持って、翔くんのところに行こう。
帰り道、あの路線のバスに乗込んだ隆平は、英単語帳を眺めながらも吊革にしがみついていると、オバサンたちの会話を耳にしてしまう。
「昨日、おった金髪の子ぉら。うちの娘と同級生みたいやわ。あの制服やからまさかとは思っててんけどな？」
「あらそうなん？何や、具合悪そうにしとった子ぉは大丈夫やったん？」
「娘も詳しくは知らんらしいけど、かなり悪いらしゅうて、普段の体育もまともにしとらんらしいわぁ」
もう英単語なんて入ってこなくて、病院につくまでの間、隆平はずっとイライラしていた。
心臓外科病棟はなんだか慌ただしくしていた。
「あー、悪い！俺、今から緊急でオペ入っててっ」
「そうなんかぁ。そりゃお仕事やもん、しゃーないわぁ。ありがとう」
仕方ない。翔がもう一度ごめんと言って消えていったので、隆平は帰ろうとした。
「塾行くの？」
振り返ると手にしていた今朝の袋を除きこんだ雅紀がいた。
「いや、コレはノート目的で貰っただけで…笑」
そっかぁ。と雅紀が欠伸をする。夜勤明けの日中までコースなのか、私服だ。
「翔ちゃんの代わりに教えてあげようか？」
満面の笑みの雅紀に隆平は少し引きつり気味に頷いた。しかし。
「まーくん凄いな！なんやかんやお医者さんやん！ごめん、俺、ちょっと…笑 だって裕ちんのお友達やで？」
「それ聞いたらヨコちゃん悲しむよぉ？笑」
隆平は問題を解決し、雅紀の車で送迎までしてもらうことに。
「別に誰かと比べる必要もないし、俺は俺、ヨコはヨコでやってきたからさ。それに…隆ちゃんは俺と違って元の頭は良いはずだから。努力次第でどうにでもなるし、気ままにやんなよ」
その言葉を聞いた隆平は、いつもの帰り道が少し明るく感じた。
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light(プロフ) - みかんさん» ありがとうございます!少し長くなってしまいましたが、そう言ってもらって嬉しいです！2章もよろしくお願いします(*^^*) (2017年9月23日 11時) (
レス) id: 803a88353c (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 「あ」何度も何度も読み返しています。何度も読んでもよいです！ (2017年9月22日 20時) (レス) id: 7c86a26d92 (このIDを非表示/違反報告)
light(プロフ) - みかんさん» お気遣いありがとうございます!まずは今のお話を完結させますので、お楽しみにしていてくださいね! (2017年9月15日 23時) (レス) id: 3b3f1b5c96 (このIDを非表示/違反報告)
light(プロフ) - 奏空さん» お久しぶりです(｡>艸<)ありがとうございます！了解しました〜知識が無いので難しいですが、頑張ります。お待ちくださいね (2017年9月15日 23時) (レス) id: 3b3f1b5c96 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 早速ありがとうございます。続きを楽しみに待ちます！そして、今回のお話が終わったら他の方のリスエストへ移っても大丈夫なのです！どのお話も楽しみにしています！ (2017年9月15日 1時) (レス) id: 7c86a26d92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：light | 作成日時：2017年7月9日 17時
